東京国際アニメフェア2011」への協力・参加を拒否する緊急声明につきまして
抗 議 声 明
 
平成22年12月22日

 
 我々は12月10日付で、「東京国際アニメフェア2011」への協力・参加を拒否する緊急声明を発表しました。まず、これに関して、アニメファンをはじめ同アニメフェアを心待ちにしていた皆様方に対し、心よりお詫びを申し上げます。しかしながら、我々がこのような行動を取らざるを得なかったのは、何としても、「東京都青少年の健全な育成に関する条例改定案」の可決に反対するため、何らかの意思表示をすることが、結局は全国の漫画・アニメファンのためでもあると思ってのことでした。この点について、漫画・アニメファンの皆様方のご理解を賜りたいと思います。
 
 ところが、上記改定案は多くの問題点を指摘されながらも、結局、12月15日に都議会で可決されました。漫画家やアニメ制作者からは、改定案が抽象的で曖昧な要件によって創作活動を萎縮させる恐れがあるなどとして、容認できないとの声が次々に上がっています。我々としても、このような改定案が可決されたことに対し、強く抗議の意を表明するものです。
 
 我々はもとより、青少年の健全な育成が達成されることを強く願っております。そのために、出版界は長年にわたり自主規制として、成年向け雑誌マークを表紙に表示したり、青少年が立ち読みできないよう2ヶ所小口シール止めをし、書店・コンビニでの区分陳列販売の徹底に努めてきました。その結果、もはや石原慎太郎都知事が言うような「有害図書がはんらんしている」という状況ではありません。現行の条例の下でもこのような成果が上がっているのに、なぜ不明瞭な改定案を必要とするのか、全く理解に苦しむところです。もちろん、我々は今後とも自主規制の徹底に、一層の努力をしていく所存です。
 
 都議会は、改定案を可決するに際し、条例の文言が不明確であると指摘されていた、自主規制や不健全図書指定に関する条項の適用については「作品を創作した者が当該作品に表現した芸術性、社会性、学術性、諧謔的批判性等の趣旨を酌み取り、慎重に運用すること」、図書の審査等を行う東京都青少年健全育成審議会の諮問のあり方については「新たな基準を追加した改正条例の趣旨に鑑み、検討時間の確保など適正な運用に努めること」という付帯決議を可決しました。我々は、東京都が今後、上記付帯決議の精神に則って、作家の表現の自由や出版界の自主的な努力を尊重しつつ、改定条例の慎重な運用を行っていくことを強く求めるものです。我々はこの改定条例に反対の立場であることには変わりはありません。今後も、改定条例の在り方・運用について監視の手を緩めることなく、常に先頭に立って問題提起をしていく決意です。
 
以上
 
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