滋賀

　守山市岡町のアパートで、草津市の家事手伝い、奥村尚代さん（２４）が１７日夜に遺体で見つかった事件で、京都府宇治市の会社員、井ノ口義一容疑者（３６）が２１日、逃亡先の福岡市内で交番に出頭し、殺人容疑で逮捕された。県警は守山署で記者会見を開き、「事件の全容を解明する」と話した。井ノ口容疑者の父親（５８）は取材に応じ、「奥村さんにもご遺族の方にも本当に申し訳ない」と頭を下げた。【村瀬優子、柴崎達矢、村山豪】

　会見は午後４時から始まり、冒頭、小迫正昭署長が「被疑者を逮捕しました」と広報文を読み上げ、約３０分にわたって受け答えした。午後６時半ごろ、井ノ口容疑者を乗せたワゴン車が署に到着すると、詰めかけた報道陣が一斉にフラッシュを浴びせた。井ノ口容疑者は捜査員に抱えられ、署内に入った。

　一方、井ノ口容疑者の父親は報道陣の取材に応じた。父親によると、井ノ口容疑者は両親と妹の４人家族。府内の私立大学を卒業後、携帯電話の販売店などに勤めていた。幼稚園から高校まで水泳に打ち込み、「まじめすぎる性格で、一つのことしかできないタイプ」だったという。奥村さんと交際しているのを知ったのは昨年１１月ごろで、自宅で紹介されたという。

　事件当日の午前７時ごろ、井ノ口容疑者と「おはよう」とあいさつを交わした際、変わった様子はなかったという。その後、自宅に戻らなかったため、報道で奥村さんの事件に関わっているのではと思い、京都府警宇治署に捜索願を出したという。長男の逮捕を受け、「罪を償ってほしい。ご遺族の方には、本当に申し訳ない」と繰り返した。

　一方、奥村さんの父親は「とりあえず、犯人が生きて捕まってほっとしました。事件の状況をありのままに話してもらいたい」とコメントを発表した。