(CNN) 野生のチンパンジーの子供も木の枝を使って人間の女の子と同じような「人形ごっこ」をするという研究結果が、21日の米科学誌「カレントバイオロジー」に発表された。野生のチンパンジーのこうした行動が裏付けられたのは初めてだという。
ウガンダのキバレ国立公園で10年以上にわたってチンパンジーの群れを観察している米ベイツ大学とハーバード大学の研究チームは、若い雌のチンパンジーが人形遊びをするような仕草で木の枝を持ち歩いているのを見つけた。
木の枝は手や口を使ったり脇にはさんだり、腹と太ももの間に抱きかかえたりして持ち歩き、母親が赤ん坊をあやすような仕草をしていたという。この行動は1分で終わることもあれば4時間以上続くこともあり、眠ったり木に登ったり餌を食べたりしながら続けていた。
こうした仕草をするチンパンジーは、雄よりも雌の方が圧倒的に多いことも判明した。雄のチンパンジーは相手を脅すために木の枝を振るなど、武器として使う場合が多いという。
霊長類も性別によって遊び方が違う傾向があるのかもしれないと研究チームは指摘している。ただし雄のチンパンジーでも人形ごっこをする例はあるといい、4歳の雄の「カカマ」は木の枝を巣に持ち込んで仰向けに寝そべり、上に向けて突き出した手足の上に木の枝を乗せて左右に揺する「飛行機ごっこ」をしていたという。