2010年12月22日11時50分
前任者の鳩山由紀夫前首相はほぼ毎日、秘書官らと一緒に昼食をとっていた。会議室でテレビニュースを見ながら、「こんな話があるのか」「すぐ資料を持ってこさせます」などとやりとりしていたという。当時の官邸スタッフは「チームワーク作りに役立った」と振り返る。
「鳩山スタイル」を引き継いだかのようにみえた菅首相の心境に、どんな変化があったのか。秘書官の一人は「多忙なので、1人で考える時間も必要だ」と、静かに政権戦略を練るのを優先させていると解説する。だが、孤独ぶりが際立つだけに、「引きこもりのようだ」「情報過疎に陥っているが大丈夫か」などと漏らす官邸スタッフもいる。(山岸一生)
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足立己幸・名古屋学芸大大学院教授(食生態学)の話 「孤食」でなく、一緒に食事をとりながら話をする「共食」をすすめたい。菅さんは自分をリセットでき、周囲は菅さんの小さな変化に気づくことができる機会になる。菅さんの表情は、はた目にも疲れている。首相のような孤独な立場に大事なのは、リラックスできる時間と話題を周囲が提供してあげることだ。政治の話抜きでいいから、昼食くらいみんなで囲んではどうだろう。