「子ども手当」地方負担分の継続に、自治体から怒りの声 神奈川県は負担拒否を表明
フジテレビ系(FNN) 12月22日(水)1時25分配信
財源問題がおおむね決着した「子ども手当」だが、地方負担分の継続に対し、自治体から怒りの声が上がっている。負担拒否を表明した神奈川県は、「地方負担分は独自の子育て支援に充てる」との方針を示している。松沢成文神奈川県知事は「怒りを通り越してますね。戦っていかないと、地方は国の奴隷になってしまいます」と述べた。
口調こそ穏やかだが、国との戦いも辞さないと息巻く神奈川県の松沢知事。
その怒りの対象は「子ども手当」。
政府は20日夜、関係閣僚会合を開き、2011年度の子ども手当の財源問題について、おおむね決着した。
玄葉 光一郎国家戦略担当相は20日、「国と地方の負担のあり方について、上積み分については全額国費とするということを1つ、決めました」と述べた。
上積み分については、全額国が負担することになったが、旧「児童手当」の地方負担分は、子ども手当の財源として引き継がれていて、2011年度も継続されることになった。
しかし、地方自治体は「全額、国が負担すべき」と反対していた。
松沢知事は「まったく地方分権改革を理解していない政党のやり方だと思いますね。神奈川県は、子ども手当の地方負担は拒否します。その分のお金で、保育所や学校や子育て支援の環境を神奈川は充実させる」と述べた。
松沢知事は、子ども手当の負担を拒否した分を子育て支援に充てる方針。
神奈川県民は、ほかの都道府県よりも現金で受け取る額は減るが、その分、保育施設の整備やワクチン接種などのサービスをより多く得られることになるという。
「全国一律」の子ども手当に一石を投じる「神奈川方式」。
神奈川・横浜市瀬谷区の「保育室ネスト」で、保育所を利用する母親に話を聞いてみると、「ワクチン接種は今、(料金が)すごく高いので助かります」、「保育室とかをもっと増やしてほしいとかっていうのにお金を使ってほしいというのはありますね」、「現金の方が、いろいろ使い道が選べるかなって感じ」などの声が上がった。
神奈川県では18日、市長会が地方負担に反対する緊急決議を採択した。
さらに、地方負担の継続に反対する動きが広まっている。
全国知事会長の麻生 渡福岡県知事は「児童手当分の地方負担が継続されるということになりましたことは、誠に遺憾であると言わざるを得ない」と述べた。
改革派知事の代表格だった片山善博総務相は、「全部児童手当の地方負担分もなくして、クリアにして、それは地方が独自に使っていいのだ、ということを主張されているところもおられますけどもね。それはやっぱり、ちょっと筋が違うんじゃないですかっていうこと」と述べた。
21日夜、菅首相は「もともと児童手当という段階でも、ある程度の負担をいただいてたわけですから。そういう意味では、ぜひご理解をいただきたいと思ってます」と述べた。
ねじれ国会で、子ども手当関連法案の成立にめどが立たない中での地方からの声。
2009年の衆院選の目玉公約は、今も先行き不透明のままとなっている。
最終更新:12月22日(水)1時25分
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