ホーム > タイガース > タイガース最新紙面記事

再起へ!金本『背水』ハワイ自主トレ

 ホノルル市内を約1時間、黙々と走る金本=米国ハワイ(撮影・吉田 風)
【拡大写真はコチラ】
 ホノルル市内を約1時間、黙々と走る金本=米国ハワイ(撮影・吉田 風)

 阪神・金本知憲外野手(42)が20日(日本時間21日)、米国ハワイ州ホノルル市内で自主トレを開始した。今季開幕前に痛めた右肩のリハビリに専念するため、常夏の島を再起の地に選んだアニキ。初日は約3時間半、ランニングと筋力強化でみっちりと汗を流し「(復活)できなければそれなりの結果がついてくる」と語った。来年43歳を迎える不屈の男が、背水覚悟の過酷な道のりを歩んでいく。

  ◇  ◇

 高級リゾートのプライベートビーチを眺め、金本が背水を口にした。

 「元気で1年間、プレーできるように、とにかく肩を治すこと。(復活)できなければできなかったで、それなりの結果がついてくる」

 短い言葉。その穏やかな口調に覚悟がにじみでた。右肩痛の早期回復を期すため、年末ギリギリまでハワイに滞在する。アニキが常夏の島を再起の地に選んだ。

 前夜ホノルルに入り、この日午後から自主トレを開始した。朝まで残った雨の影響で市街のフィールド状態が悪く、ランニングコースを郊外の「カハラ通り」に移した。インターバルを挟んで約1時間。最高85%まで上がった湿度の影響もあってTシャツを汗だくにしながら息を荒らげた。「中6日」というランニングを精力的にこなし下半身に刺激を入れた。

 「結構、長いな」。自ら設定した距離を恨むようにゴール後は苦笑い。出迎えたホテルスタッフが「メリークリスマス!」と陽気に差し出したミネラル水を飲み干した。

 年末の米国滞在は近年の恒例行事になっているが、今回はバカンスやオーバーホールの意味合いは薄い。夕方から市街のフィットネスクラブで取り組んだ右肩のリハビリでは、他の利用者がその気迫に圧倒されるほど声を荒らげる場面もあった。「何もできないのがつらいよ」。例年この時期は重負荷のウエートトレーニングで肉体をいじめ抜いているだけに、当然のように焦りもある。

 「来年スタメンで出られる状態に戻すことが先決だから」。棘上(きょくじょう)筋の断裂という「予想もしなかった」故障は、幾度の危機をはね返してきた鉄人が初めて屈した重症だ。完治する保証はどこにもない。地道なリハビリのルーティンは、そのものがストレスになりかねない。それでも本人が「ほんの少しずつ」と手ごたえを得る「前進」が心の支えになっている。

 来年4月で43歳。「阪神でやり残したことがある」と、巻き返しを最大のモチベーションに変える。「それなりの結果」を簡単に受け入れるつもりはない。

(2010年12月21日)

オススメタイガース写真ニュース








Copyright(C) 2010 デイリースポーツ/神戸新聞社 All Rights Reserved.
ホームページに掲載の記事、写真などの無断転載、加工しての使用などは一切禁止します。ご注意下さい。
当サイトは「Microsoft Internet Explorer 4.x」「Netscape Navigator/Communicator 6.x」以上を推奨しています
Email : dsmaster@daily.co.jp