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松井秀“キャプテン”宣言「先頭で引っ張る」 (2/2ページ)
無数のフラッシュを浴びながら、笑顔で白地のユニホームに袖を通した。１７台のテレビカメラが並び、日米合わせて１００人以上の報道陣が集まった入団会見。松井は大リーグ９年目で初めて“キャプテン”になることを誓った。
「来てほしいという強い気持ちがボクの心をグッと引き寄せた。プレーオフのチャンスは十分ある。そのためにボク自身が先頭を切って、みんなを引っ張っていけるようなプレーをしたい」
いつも謙虚な松井が一変、チームリーダーになると宣言した。ヤンキース時代はデレク・ジーター内野手（３６）、今季在籍したエンゼルスではトリー・ハンター外野手（３５）というリーダーがいたため遠慮してきたが、ア軍では実績も人気も松井が最高。“キャプテン”の資格は十分ある。
「素晴らしい投手陣は最大の武器。ボクががんばって点を入れれば（プレーオフの）可能性は出てくる」
「４番・ＤＨ」が予定される主砲としての責任感がみなぎる。会見前にはビリー・ビーンＧＭ（４８）やボブ・ゲレン監督（４９）らと昼食を共にして、チームリーダーとして大きな期待を寄せられた。
刺激もある。ア・リーグ西地区のライバル３球団にはすべて日本選手が在籍。イチロー外野手（３７）がいるマリナーズとは開幕戦で対戦する。松井は日米通算２５００安打まであと１本としているだけに、いきなり注目のカードだ。古巣となったエ軍には巨人時代の後輩・高橋尚成投手（３５）が移籍し、リーグ覇者のレンジャーズには日本ハムから建山義紀投手（３４）が入団。多くの日本人対決を制し、５年ぶりのプレーオフ進出を目指す。
「お客さんが入っていない実感はあるが、いい野球をすればたくさん来てくれる。そういう形を作りたい」
人気でも起爆剤となる。ア軍の観客動員数は今季も全３０球団中２９位で、閑古鳥が鳴いた。しかし、オークランド周辺には隣接するサンフランシスコと合わせ約１万７０００人の在留邦人がおり、ゴジラ移籍を歓迎。これまで人気球団でプレーしてきた松井は、最も効果的な集客方法はチームの勝利だと強調した。
来年６月には３７歳となる。“キャプテン”として名門を復活に導けば現役生活が伸び、失敗すれば引退の２文字が現実味を帯びてくる。背水の陣の１年契約。“緑ゴジラ”が勝負のシーズンに挑む。