日本人初の3階級制覇を狙う「亀田3兄弟」の長男・興毅(24)と対戦する、元WBA世界Sフライ級王者アレクサンデル・ムニョス(31)が21日、都内の勝又ジムで練習を公開した。2月に引退を表明し、地元ベネズエラの行政機関で3カ月間働いたが、十分な収入が得られずに現役続行を決意。ハングリーなベテランが、興毅に襲いかかる。
プロは金を稼いでナンボの世界だ。シャドーボクシングとミット打ちを行ったムニョスは息を切らしつつも豪快なパンチを披露。08年5月から約1年2カ月、09年11月から約11カ月あった2度の長期ブランクの不安を打ち消すのに躍起だった。
「スピードは以前と変わっていない。カメダにKOで勝つ」。世界王座挑戦の機会がないことを理由に、2月に現役引退を表明し、地元ベネズエラ・ボリバル州の行政機関で、スポーツイベントに携わる仕事にいったんは就いたが、金銭面で納得できず、わずか3カ月で退職。再びリングへ戻ることを決意した。
10月にパナマで行われた再起戦で8回判定勝ちし、万全の状態で。公開練習後の計量では、バンタム級リミット53・5キロまであと200グラムに迫る53・7キロだった。「今でも強いことを証明したい」。ムニョスが勝利でジャパンマネーをつかみ取る。(江坂勇始)