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【格闘技】がんと闘う総合格闘家宮下トモヤ 再びリングに戻りたい2010年12月22日 紙面から 総合格闘家の宮下トモヤ(29)が、がんと闘っている。10月下旬に体調の異変を感じ、東京都内の病院で、左右の肺の間にある縦隔のがん「性腺外胚細胞腫瘍(しゅよう)非セミノーマ」と診断された。一度は引退を決意したが、今は翻意。病魔に打ち勝ち、再びリングに戻ることを心の糧に闘病生活を送っている。本紙記者に、宮下がその思いのたけを激白した。 (竹下陽二) 神様は唐突に、運命の扉をノックする。10月下旬のある日、宮下の人生は劇的に変わった。ジムで朝の練習を終え、くつろいでいると、体調の異変を感じた。いつもの不快な背中の痛みに加え、呼吸が苦しくなった。「これまでも背中に痛みはあった。それは、格闘技やってるからだと思ってた。でも、呼吸が苦しくなったのは初めて。これはおかしいなと」 エックス線検査の結果、左右の肺の間に影が見つかった。さらに、大きな病院で精密検査を受けると、がんと診断された。ショックというより、信じられなかった。 「ビックリしました。格闘家はがんとは無縁と思ってましたから。冷静なつもりだったけど、急に体調を崩して、一時、ご飯が食べられなくなりました」 宮下は、この診断を聞いて、ある重大な決断をした。それは、10年以上続けてきた格闘技を辞めること。病気の知らせを聞いて、故郷の北海道苫小牧から飛んできた両親も宮下の決意には安どした。11月9日から入院、早速、抗がん剤投与の治療が一定のインターバルを置きながら開始された。脱毛、だるさ、吐き気などの副作用はあったが、宮下の心が折れたことはない。それどころか、今では引退の決意を撤回。再び、リングに戻ることが、最大のモチベーションになった。 「もう、リングに上がることしか考えていない。格闘技をやる理由が180度変わってしまった。上京した時は、有名になることしか考えてなかった。でも、今は、同じような病気の人を勇気づけられるような存在になりたいと思う。ボクの病気は若い人にも多いらしい。でも、ボクが病気を克服して、普通に格闘技を続けてたら、そういう人たちも安心すると思う。ネットで“宮下トモヤ”を検索したら、ボクのことが出てて、克服して、普通に格闘技をやってると。勇気を与えるって格好良すぎるけど、安心を与えたい。それが、ボクに与えられた新たな“才能”だと思うんです」 実は、宮下もある人から勇気をもらった。それは、新日本プロレスなどで活躍した元プロレスラーの小林邦昭さん(54)。小林さんは1991年に大腸がんを患い、98年に肝臓に転移。担当医に「5年生存率0%」の宣告を受けながら、3度の手術を経て、病気を克服。今でもバリバリ、トレーニングを欠かさない。宮下はその小林さんと知人を通して知り合い、激励の手紙とメッセージ付きのサイン色紙をもらい、病室に飾っている。 分かっていたつもりでも、病気になって改めて心に染みたこともあった。それは、格闘技で知り合った仲間たちの温かさ。病室には途切れることなく、有名、無名を問わず格闘家たちが見舞いに訪れている。格闘技イベントのDEEP、パンクラス、ZESTの会場で宮下の闘病生活を支援しようと募金活動もしてくれた。12月11日、東京・ディファ有明で行われたDEEP会場でリングに立った名物プロデューサー佐伯繁(41)DEEP代表はファンに向かって涙ながらに宮下の支援協力を訴えた。 「佐伯さんがリングの上で泣いてるビデオを見せてもらって、ボクも泣いた。ホントに格闘技を愛してる人なんだなと。仲間もボクが逆の立場だったら、そこまでやれるかと思うぐらいにやってくれる。ボクは、リングに戻ることで、恩返しがしたい」 ◇ 余計なお節介と知りつつ、取材の前は、くれぐれも無理するなと言うつもりだった。でも、宮下の思いを知って応援したくなった。宮下よ、お前が「日本一うまい」と公言してはばからない必殺の「フロントチョーク」を、再び、リングの上で見せてくれ! PR情報
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