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当直中の事件受理、10件超えたら「強制残業」 厚木署(2/2ページ)

2010年12月22日4時21分

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 同署管内では6月、空き巣を繰り返していたとして厚木市の男が逮捕され、150件以上の余罪を供述した。しかし、署員が現場に行っても被害届を求めず、単なる「記録」にとどめたものが多数あったという。記録だけの場合、認知件数には数えられず、捜査の必要もない。

 時間外勤務手当は署員が自分でコンピューター入力して請求する仕組みだが、署員には「とても請求できる雰囲気ではない。事実上のサービス残業だ」という声もある。署関係者は「事件や事故の対応で仮眠もとれない当直署員の負担は大きい」と口にする。

 清水署長は「1件でも犯罪を減らすには目標が必要。達成できなければ全員で責任を取るべきだと考えた。窃盗事件などが大幅に減ったのも残業の成果だ」と説明。作るべき被害届を作っていないとの指摘については「被害者が希望しない場合には作らないと考えている」と話す。

 県警の宮城直樹警務部長は「意欲が減退し、現場の士気が下がる可能性はある。改善の必要がある」としている。(田村剛、曽田幹東)

     ◇

 〈認知件数〉 警察が把握した犯罪の発生数。警察官は、通報を受けて現場に行き、事件と判断すれば被害者から被害届の提出を受けて認知件数として計上する。検挙数を認知件数で割った数字が解決率を示す「検挙率」。検挙数が同じなら、認知件数が少ないほど検挙率はアップすることになる。

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