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おはようございます。ただいま連投した限定効果説についてのツイートをまとめました

投稿者:miyadai
投稿日時:2010-05-23 - 09:33:01
カテゴリー:宮台の近況 - トラックバック(0)
miyadai
9:13am, May 23 from HootSuite
http://ow.ly/1ODMt の宮台批判が @cef_tom や @A_Z_0_9によって紹介されています。専門家だというだけで平伏す向きの典型がhttp://ow.ly/1ODMtで、困ったもの。そこで、システム理論の見地から限定効果説が今日でも通説たる所以を紹介します

miyadai
9:14am, May 23 from HootSuite
巷には間違った教科書がありますが、ここで断言しておきます。ジョセフ・クラッバーの限定効果説が打ち出した図式は画期的なもので、その後の「反証」とされるものも、クラッパーの図式を些かも超えるものではありません。断言できる理由を説明しましょう。

miyadai
9:14am, May 23 from HootSuite
悪影響をy、コンテンツ要因をc、本人要因をp、環境要因をeとします。クラッパーによると、最初期の強力効果説(強力効果説の名に最もふさわしい図式)である弾丸理論は、y=f(c)とします。クラッパーの限定効果説はこれを、y=f(c,p,e)に置き替えました。

miyadai
9:15am, May 23 from HootSuite
つまり彼は悪影響の単一要因説を多重要因説に置き換え、それを以てメディア要因は限定的だと述べました。その社会的含意は、悪影響回避の際、表現の自由との関連で副作用の大きいcに飛びつく前に、pとeの制御(reinning in p and e)を政策的に行えという内容になります。

miyadai
9:15am, May 23 from HootSuite
クラッパー後、コンテンツのバリエーションによって悪影響がどう異なるかの研究が蓄積されました。でも、暴力の扱いが肯定的か否定的による差の研究などは、コンテンツのバリエーションによって影響が異なるのは自明ですから、クラッパー図式を些かも超えません。

miyadai
9:18am, May 23 from HootSuite
クラッパーの後、とりわけ新たな知見が加わったのは以下の点です。cとして、コンテンツの単発的接触(短期)c1に加えて累積的接触(長期)c2の効果。pとして、素因(長期)p1に加えて感情状態(短期)p2の効果。eとして、対人ネット(狹範囲)e1に加えて社会的風潮(広範囲)e2です

miyadai
9:20am, May 23 from HootSuite
マッキノンやバトラーの主張はe2に関する言及を含みます。一定の社会的風潮e2が拡がっている中でコンテンツcに接触するのと、そうでない状況e2'でコンテンツcに接触するのでは、コンテンツ自体の意味や効果が違ってくるはずだとする議論です。その意味で狭義の効果研究を超えた議論も重要です

miyadai
9:21am, May 23 from HootSuite
いずれにせよ、クラッパー後は、y=f(c1,c2,p1,p2,e1,e2)という函数型になっただけであって、y=f(c,p,e)の函数型は不変です。つまり、もうおわかりの通り、クラッパーが限定効果説の社会的含意として述べた事柄は温存されるのです。そこが限定効果説の「キモ」なのです。

miyadai
9:24am, May 23 from HootSuite
その意味で、メディア効果が限定的だとする議論は、後の積み重ねにかかわらず今日まで不変です。単にクラッパーの狭義の主張だけを限定効果説と名付け、それが反証されたなどと騒ぎ立てるのは、限定効果説の本質がy=f(c,p,e)という多重要因説にあるのを見逃した「頭の悪い」議論です。


miyadai
9:25am, May 23 from HootSuite
いやいや、良い機会を与えていただいて感謝しています。RT @tntb152958116: あ、すみません。それ、俺のせいである可能性があるので、どちらかというと俺を批判して頂けるとありがたいのですが…。→.@miyadai http://ow.ly/1ODMt の宮台批判が