舞鶴女子高生殺害:被告、無罪を主張 初公判始まる

2010年12月21日 10時53分 更新:12月21日 13時1分

舞鶴女子高生殺害事件初公判の傍聴券を求めて、列を作る人たち=京都市中京区で2010年12月21日午前9時3分、望月亮一撮影
舞鶴女子高生殺害事件初公判の傍聴券を求めて、列を作る人たち=京都市中京区で2010年12月21日午前9時3分、望月亮一撮影

 京都府舞鶴市の女子高生殺害事件で、殺人と強制わいせつ致死の罪に問われた中勝美(なか・かつみ)被告(62)に対する初公判が21日午前、京都地裁(笹野明義裁判長)で始まった。中被告は起訴内容の認否で「全部でたらめで、うそで、間違いです。私は無罪です」と主張。弁護人も「一切かかわっていない」と争う姿勢をみせた。有力な物証はないが、検察側は状況証拠の積み重ねで立証は十分可能とし、双方の主張が全面的に対立した。

 検察側は冒頭陳述で、中被告は08年5月7日午前1時20分ごろ、スナックから自転車で帰宅する途中の府道で被害者と出会ったとの見立てを明らかにした。さらに府道沿いの防犯カメラの映像や現場近くの交差点など複数箇所での目撃証言から、2人で現場まで歩いたのは明らかと主張。その後、中被告がわいせつ行為に及んだと、動機を説明した。

 また、中被告が検察の調べに「事件のあった7日午前、知人が被害者の衣服や化粧品を捨てるのを見た」という趣旨の供述をしたり、検察官に「真犯人グループ」の名前を挙げた手紙を送ったりしたと指摘。検察は中被告が知人に罪をなすりつけるためにうそをつく中で、犯人しか知り得ない秘密(化粧品などバッグの中身)を暴露したものと位置付けた。

 一方、弁護側も冒頭陳述を行い、防犯カメラの映像について「人物の特徴を指摘できるほど鮮明ではない」と反論。目撃証言も「夜間、自動車を運転しながらのものだ」として、確かに中被告と確認できたかどうかについて疑問を呈した。当日の被告の行動については「被告には具体的な記憶がない」とした。

 一方、被害者の所持品に関する供述については「捜査官の誘導の可能性がある」と主張。事件が暗い中で起きていることから、この供述や目撃証言を検討するため、夜間の検証が必要だと述べた。

 この裁判は裁判員裁判の施行直前に起訴されたため、裁判官3人が審理する。【古屋敷尚子、熊谷豪】

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