県教育委員会は20日、保護者から集めた給食費などを7年間にわたって私的に流用していたとして磐田市千手堂の市立豊田南小学校の男性事務職員(53)を懲戒免職にしたと発表した。市は刑事告発に踏み切るかどうか、県警と調整している。
県教委は、このほか、職員の監督が不十分だったとして同小学校の校長(58)と前任校長(58)の2人を戒告処分とした。
県教委によると、懲戒免職した職員は前任地の中学校も含めて04年から10年9月にかけ、給食費や修学旅行の積立金などから計約500万円を着服。パチンコや飲食など遊興費に充てていた。この職員が会計をほぼ1人で管理していた。
この職員は、着服の露見を防ぐため教職員互助会から借金して年度末に埋め合わせていた。しかし今年10月、市が監査したところ、出納帳簿がないうえ、不自然な現金の出し入れがあることが分かり、問題が発覚した。
同小学校側が職員に事情を聴いたところ、「収支に支障がなければいいと思っていた」と、流用を認めた。「95年から流用していた」とも話したというが、県教委によると、04年以前の書類が残っていないため確認できなかったという。【山田毅】
毎日新聞 2010年12月21日 地方版