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京都市初の婚活催し 定員大幅に超える1500人が応募

2010年12月21日

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男女計200人が集まった京都市の婚活イベント。交流パーティーで歓談した=19日、左京区のみやこめっせ

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京都市動物園を散策して、交流を深める婚活イベントの参加者たち=19日、左京区

 晩婚化や少子化に歯止めをかけようと京都市が初めて企画したイベント「京都婚活2010〜京都恋物語in岡崎〜」が開かれた。定員を大幅に上回る1508人が応募。狭き門を抽選で通過した25〜40歳の男女計200人が参加した。動物園の散策や立食パーティーを通じての、将来のパートナー探し。「何組かでもゴールインしてもらえれば」。市側は縁結びが実ってほしいと期待をかける。

 19日、市内は最高気温12.1度の冷え込みだったが、京都市動物園(左京区)は熱かった。男性はスーツ姿、女性はこぎれいな格好をした人が目立った。男女5人ずつのグループに分かれ園内を散策。動物の話題をきっかけに話したり、趣味を聞いたりして盛り上がった。

 自然と2人きりで話がはずむ参加者らがいる一方、異性そっちのけで同性間で盛り上がるグループも。同行するスタッフがやきもきして話題を振る場面もあった。

 中京区の男性(32)は「仕事が伝統産業の分野なので女性との出会いがない。(足にハートのような模様がある)キリンをネタに女性と知り合えた」と満足げだ。

 京都市勧業館「みやこめっせ」(左京区)に会場を移して開催された立食パーティーでは、趣味などを書いて自己紹介する企画などがあり、連絡先を書いたカードを交換した。

 5枚のカードを手にした伏見区の女性会社員(34)は「趣味の山登りをきっかけに話が盛り上がった。子どもが欲しいのでとにかく早く結婚したい」と期待する。山科区の自営業の男性(39)は「映画鑑賞の趣味が共通する女性とデートの約束ができた」と話した。

 婚活イベントを市が企画したのは初めて。市民の未婚率は全国平均を上回り、特に市内の25〜29歳の男性では5人に1人しか結婚していない。昨年6月の市の調査では男女とも「結婚したいが出会いがない」という声が多かったため、100万円の予算を組んだ。

 参加費を1人2千円と民間の業者主催の同様のイベントより安めに設定。「市在住か在勤の男女」を条件に11月17日から約3週間募集したところ、応募者が殺到した。男性は3.68倍、女性は11.4倍になった。応募者の平均年齢は、男性34.0歳、女性32.9歳。当日も定員の200人全員が参加し、婚活への意気込みを感じさせた。

 市によると、未婚の息子を持つ親からの問い合わせが目立った一方、女性は本人からの申し込みが多かったという。今回のイベントについて市は「応募数が多く、ニーズがあると分かった。次回の開催につなげたい」とする。

 ただ、市が昨年6月の調査で、「行政に望む結婚支援の政策」を聞いたところでは、「男女の出会いの場作り」(11.1%)よりも、「子育てしやすい社会環境づくり」(33.4%)や、「雇用主に正規職員の雇用を働きかける」(20.7%)を求める声の方が多かった。

 一過性のイベントに終わることなく、結婚や子育てがしやすいと感じられる環境づくりが市の課題となりそうだ。(岡見理沙)

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