前城南市長が管理していた「汚職デパート」の実態

1200万ウォンのウイスキーなど3億ウォン相当を受け取る

イ・デヨプ前城南市長
 京畿道城南市のイ・デヨプ前市長(75)とそのおい夫婦、側近の公務員らが、8年間の市長在任期間中に、建設業者や公務員などから賄賂を受け取るなど、合計15億ウォン(約1億1000万円)を横領していたことが分かった。これは検察関係者が明らかにした。

 水原地検城南支庁刑事3部は20日、上記の容疑でイ前市長とその2人のおい、そして5級(課長補佐クラス)公務員のチョン容疑者(54)ら計13人の身柄を拘束し、おいの妻と4級(書記官クラス)公務員のイ容疑者(50)ら7人を在宅のまま起訴した

 検察によると、イ前市長は2008年9月に城南市盆唐区石雲洞で乗馬の練習施設を認可する際や、板橋宅地開発地区での業務を随意契約で業者に受注させた際などに、3人の建設業者から現金1億ウォン(約730万円)と1200万ウォン(約87万円)相当のウイスキーを受け取るなど、計3億ウォン(約2200万円)相当の金品を受け取った疑いが持たれている。また、在任中に業務推進費で会食し、虚偽の領収証を作成するなどの手口で毎月200万ウォン(約14万円)、計1億8800万ウォン(約1370万円)を横領し、さらに自宅マンションで働く家政婦を臨時職の公務員に偽装し、官舎の管理支援費名目で毎月93万ウォン(約6万7000円)、総額2億5900万ウォン(約1900万円)を横領した疑いもある。これらはすべて、城南市の予算から支出されていた。

 イ前市長の親せきも数々の利権や公務員人事などに介入し、数千万ウォン(1000万ウォン=約73万円)から数億ウォン(1億ウォン=約725万円)を手にしていたことが、検察の捜査により分かった。おいのイ容疑者(62)は、公営駐車場建設工事の便宜を図る見返りに6000万ウォン(約435万円)、またゴルフ練習場建設をめぐり1500万ウォン(約110万円)、さらに新庁舎施工業者によるコンソーシアム選定で便宜を図り3億ウォン(約2200万円)を受け取った。その上、板橋新都市造形工事の下請け業者選定に介入し、2億1000万ウォン(約1520万円)を手にした疑いも持たれている。

 イ前市長の汚職には、側近の公務員らも協力していた。自治行政課長を務めた4級公務員のイ容疑者は、2008年10月から7カ月間にわたり、公務上の機密である城南市公務員昇進対象者のリストを市長のおいに当たるイ容疑者に渡した。また、5級公務員のチョン容疑者は、おいのイ容疑者と共に公営駐車場建設業者で便宜を図った見返りに、3000万ウォン(約220万円)を受け取った疑いがある。

孫章薫(ソン・ジャンフン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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