裏金疑惑:「『韓元首相に9億ウォン』は作り話」(上)

建設会社社長、公判で供述翻す

検察「すぐにばれるうそ」

 2007年、「韓明淑(ハン・ミョンスク)元首相に米ドルを含む計9億ウォン(現在のレートで約6500万円、以下同じ)相当の金を渡した」と供述した、京畿道高陽市の建設会社「ハンシン建営」社長のハン・マンホ被告(49)が、20日の公判でこれまでの供述を翻し、「検察で話したことは作り話だ」と発言した。

 検察によると、ハン被告は07年3月末、現金1億5000万ウォン(約1100万円)や小切手1億ウォン(約725万5000円)、5万米ドル(約420万円)など、計3億ウォン(約2200万円)を渡し、翌月にはさらに現金1億3000万ウォン(約940万円)と17万4000米ドル(約1460万円)=計3億ウォン相当=を、また同年8月末には現金2億ウォン(約1450万円)と10万3500米ドル(約866万円)を渡したという。ところが、ハン被告は20日、韓元首相の政治資金法違反事件の第2回公判で、「約3億ウォンは韓元首相の側近に貸し、残る約6億ウォンはほかの人にあげたり、自分で使ったりした」と証言した。

ハン被告「ほかの人にあげた分を『韓元首相』に渡した、とうそ」

 ハン被告はこの日の公判で、07年3月末に約3億ウォンを渡したとされる件については、「(韓元首相の側近の)キム・ムンスク氏に貸した。現金を用意できなかったため、1億ウォンは小切手で渡した」と証言した。

 検察の起訴状によれば、韓元首相が自宅を訪ねてきたハン被告に対し、「1億ウォンくらいはドルでくれた方がいい」と求めたため、自宅から近い閑静な住宅地の路上で、約3億ウォンが入ったスーツケースを乗用車のトランクに入れたことになっている。

 ハンシン建営の元経理部長のJ氏は、今月6日の公判で、「わたしが購入したスーツケースに、社長(ハン被告)と一緒に金を押し込んだ。社長が『捕まらないようにするため、君がしっかりやってくれ』と告げたため、韓元首相に金を渡すものだと思っていた」と証言した。

 だが、ハン被告は20日の公判で、「『捕まらないようにするため…』ということは言ったが、それは、巨額の米ドルが入っているから、会計管理に気を付けろ、という意味だった」と語った。また、検察が「借用証を書いたのか」と質問したのに対し、「今探している。よく覚えていない」と答えた。

写真提供=NEWSIS

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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