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「靖国」カードが消える日

本当はThe Economistの日本特集を取り上げる予定だったのだが(先週に…)、なんだか色々と時間がかかりそうなので先に流行りネタを片付けておきたい。

恐らく日本人の9割5分と中国人の6割ぐらいが当たり前に予想していた小泉首相の靖国参拝でマスコミが大盛り上がりしている。正直、微妙に盛り上がりどころが掴めないのだが(5回目だし、正直マスコミの盛り上げも左翼な人たちの批判も聞き飽きた)、ちょうどThe Economistの先週号で靖国や中韓関連の特集が組まれていたので、軽く紹介しておきたい。 (10月21日文末に追記)


The Economistが見た靖国

The Economistの靖国神社についての説明はなかなか良くできている。基本的にはどこの国にもある戦没者慰霊のための場所であること、A級戦犯の分祀はできないとされる理由、過去30年間に渡って天皇は参拝していないものの、例大祭ではその代理人が重要な役割を担うことなど、基本的な事項が簡潔にまとめられている。その一方で、併設されている戦争博物館(遊就館)は祈りの場所には似つかわしくない政治色の濃いものであること(”really sets foreign eyebrows rising”「思わず目を剥くような」という結構強い表現が使われている)も同時に指摘されている。ちなみに、18日付のNew York Timesも社説でも同じ点が指摘されていた(ただし、こちらはタイトルが “pointless Provocation in Tokyo”「無意味な挑発」と、全面的に日本を非難する内容。まぁNYTだし、という所ではあるが)。最後に、戦没者慰霊を別の施設で行うというアイデアはあるものの、どちらにせよ靖国神社は日本人にとって特別なものであり続けるだろうという指摘でコラムはまとめられている。

日中関係を解説した3ページに渡る解説では更に日本寄りの姿勢が強まる。(80年代の靖国問題と違い)『靖国や小部数の歴史教科書に対する抵抗運動に対して、多くの日本人はアンフェアだと感じているようだ』『日本は過去に戦争責任について幾度も謝罪してきたが、中韓は決して満足することはなかった』『中国の歴史いじめ(Chinese bullying over history)が日本の世論を更に右へと押しやった』(中韓の)『騒動に刺激されて表に出てきた日本のナショナリズムは中韓のそれに比べてずっとマイルドで、心配する必要のないもの』といった表現が目に付く。

全体的なトーンとしては、「大陸のビッグパワーである中国に日本は対抗すべきである」というもので、大陸の独仏から距離を保つイギリスの立場に日本をなぞらえたものになっている(日本に対して好意的な論調となっている理由はこれだろう)。 更には、アジア連合のようなものが出来るとしたら、それが中国に牛耳られないよう、日本がイニシアチブをとってアジアの地域連合を育成していくべきだとも提言している。

The Economistはほぼ間違いなく世界で最高の経済誌であり、その誌面でこういった情報がきちんと蓄積されていると言うのは結構ありがたいことだと思う(実際、欧米の人間は極東で何が起こっているかをまるで知らない。もちろん、日本だってアメリカとカナダの最近の確執を知っている人の方が少ないわけだが)。

余談だが、文中で「あの」朝日新聞も中国の最近の反日デモには批判的だった、というくだりがあるのだが、「あの」という表現が”Even the once slavishly pacifist left-wing daily paper, the Asahi Shimbun”という表現になっているのは少し笑った(slavishly pacifistで盲目的な平和主義者、卑屈なまでの平和主義者といった意。Slavishはslaveからの派生語なので、奴隷的な~とも訳せる)。”the once”と、一応過去形での表現になっているのが救いだが、世界第2位の発行部数を誇る新聞につく枕詞とは思えない。


靖国という外交カード

ついでなので、筆者の靖国参拝についての考えも書いておきたい。いつもと同様、イデオロギーの話は捨象する。筆者の芸風ではないし、道義的な話を書けるほどの知識も見識もないので。

となると、自然と話は外交交渉に向かうことになる。数ヶ月前、筆者は「大丈夫か韓国(4) 困った隣人との付き合い方」で、「日本は韓国と比べてかなり有利な立場にあるが、それが外交交渉力にそのまま結びつくわけではない」ということを書いた。交渉力とは、究極のところアメとムチの2種類しかない。利権をちらつかせて懐柔するか、何らかの力を背景に脅すか。そして、どちらにしても実行するにはそれなりのコストがかかること、だからそのコストを上回るほどの大きな利益が望めない限り、いくら経済力や軍事力を持っていても、それを外交交渉のカードとしては使えないことを書いた。

いくら日本のほうが軍事力で優位にあったとしても、竹島(の漁業権)を取り返すために一発5000万円のトマホークを打ちまくったり、一度の飛行で数百万円?のコストがかかる戦闘機を昼夜問わず飛ばしまくるのは余りにも割に合わない。竹島の周りには特上のフカヒレが群れを成して泳いでいるというのなら話は別だが。韓国もそのことを正確に予想するので、日本が軍事力を背景に脅しをかけても無視することが出来るわけだ。

同様のことは中韓サイドにも言える。中国の戦略核の相当数は日本各地を狙っているのだろうが、日本を焼け野原にしたら中国経済も立ち行かないので(「大丈夫か韓国(2) 「相対的」弱小国の悲哀」で書いたとおり、中国は100ドルの製品を輸出するために75ドル分を輸入しなければならない。先端部品を日本から輸入できなければ中国の輸出は成り立たない)、中国は核を背景にした外交は展開できないし、当然禁輸措置などの脅しも無効だ。今の中国には、日本との貿易を止める痛みをこらえてでも日本から奪いたいものなど存在しないのだから。

つまり、外交カードというものは一見たくさんあるように見えながら、「カードを切るコスト」を考えるとほとんどが使えないただの紙切れになってしまう。ところが、中韓はその中に「カードを切るコスト」がゼロの、大層使いやすいカードを発見した。それが靖国カードを中心とした「過去の歴史への反省」シリーズだ。

このカードは実に優れた代物で、カードを切るコストはせいぜい日本の大使を呼んで叱責する手間だけ。そのコストで日本の閣僚(大概は対中強硬派)のクビを飛ばしたり、運がいいと国内の化学兵器処理の費用を全額面倒見てくれたり、宇宙船を飛ばすようになってもODAを出してくれたり出来るのだから素晴らしい。これだけ利益率が高いのであれば、乱用したくなる気持ちも分かろうというものだ。


そしてルールが変わった

ところが、実のところこのカードは日本が過去の侵略行為について律儀に胸を痛めてくれるという前提条件があって初めて成立する特殊なカードだ。そして、小泉首相があっさりとそれをひっくり返してしまった(もちろん、その背景には日本の世代交代など、色々な事情があるのだろうが)。ここで靖国カードは無効となった。交渉ゲームのルールが変わった瞬間だ。ところが、難しいのは中韓にはこのルール変更を知る術がないということだ。日本政府だって、まさか中国に「いやぁ、これからは侵略の反省を、とか言われても適当に受け流して外交上の譲歩はしないことにしたんで、そこんとこヨロシク」とか言うわけにもいくまいし。

結局、中国は何度もトライアンドエラーを繰り返しながら、ゆっくりとルールが変わったことを認識していくしか無い。最初、中国は小泉首相の靖国参拝を、昔「妄言」で辞任した多くの政治家のケースと同じく、靖国カードを切る絶好のチャンスだと認識したはずだ。ところが、小泉首相は何の譲歩もせず、支持率も下がらない。それどころか、反日デモのコントロールに失敗して欧米の顰蹙を買う始末だ。もちろん、胡錦涛氏を含め、目端の利く人間はとっくにこういった事情を理解しているだろう。しかし、江沢民時代の成功体験はそう簡単に消えないし、国民レベルで根付いた反日感情は更に消えにくいから、なかなか靖国カードをあきらめられない。ルールの変更には時間がかかるのだ。

こう考えると、今の日中関係のごたごたは、「ルールの変更」に伴う半ば不可避の混乱と言えるのではないだろうか。そして、ルール変更に伴う混乱に耐えるには、今はなかなか良いタイミングだ。日中に目先解決すべき重大な懸案はないし、日中首脳レベルでの対話が不可欠なほど東アジア情勢が不安定なわけでもない。そしてなによりアメリカの影響が強大である以上は日中紛争の激化には一定の歯止めがかかる。もし中国が今後更に力をつけていくとしたら、このルール変更に伴う負担は日本にとってずっと大きなものになったに違いない。

そんなわけで、筆者は小泉首相の後釜が靖国参拝を続けられるかどうかが「ルール変更」が成功するためのカギになると考えているのだが、さてどうなることやら。靖国問題は外交交渉のテーマではなく、外交交渉の手段に過ぎない。そう考えれば、中韓の批判など聞き流せるようになると思うのだが。


本日のまとめ

The Economistは日中関係について比較的日本寄りの記事を書いている。

外交交渉のカードはたくさんあるように見えて、使うコストを考慮に入れるとほとんどが使用不能になる。

一方、「過去の侵略に対する謝罪と反省を迫る」カードは過去20年間有効に機能した。

この「ゲームのルール」は小泉政権から変更されたが、中韓にはその変更を知る術がないため、中韓がルールの変更を理解するまでの一定期間、外交関係は不安定になる。

これは避けがたい問題であり、今は変更するタイミングとしては悪くない。


追記

もしかしたら、左の人を中心に「中韓が靖国カードの存在を忘れるまで待つ」べきだ、と考えている人は結構いるかもしれない。しかし、筆者はこの考え方には賛同しない。数百年前の負け戦を根に持っているケースなど世の中にありふれている(1848年のアメリカ=メキシコ戦争でメキシコはカリフォルニア一帯を失ったわけだが、これを不快に感じているメキシコ人は今だって多いだろう)。しかも靖国問題のように、それが具体的な利益に裏打ちされているケースで、中国人がのほほんと忘れていくと考えるのは甘すぎる。だからこそ、早い段階で道義的な問題と外交上の問題を峻別する必要があるのだ。

追記その2(05年10月21日08時13分)

上ではルールを変更するタイミングとして今は悪くない、と書いたが、じゃぁベストのタイミングだったかといえば決してそんなことはない。聞けば、反日で凝り固まった前任者の江沢民と比べ、胡錦涛は日本にとって「まともな話の通じる」人物であるらしい。であれば、ここで中国に対して強硬に出て江沢民派を復権させるよりは、胡錦涛に塩を送るような外交戦略が本来は望ましいはずだ。

しかし、そのためには、まずこちらが送った塩が非常にありがたいものだと言うことを中国に認識してもらわなければならない。なにしろ、江沢民時代に村山首相から橋本首相まで土下座外交を繰り広げたおかげで、中国は「日本に対しては歴史カードを盾に強硬に行けば良い」という成功体験がある。それが日中外交のルールだと勘違いしてしまったわけだ(というか、その時点では勘違いでもなんでもない事実だったのだが)。それを引きずったまま更にこちらが譲歩しても、強硬策の有効性を相手に確信させるだけで、日本にとっていいことはない(最悪、胡錦涛に江沢民的な強硬策の有効性を知らしめる結果になる)。

もし橋本首相が江沢民の強硬策に対して強硬策をもって応じ、喧嘩のひとつやふたつを繰り広げていれば、今江沢民派が胡錦涛の対日穏健路線に突き上げをかますような事態にはならなかったろうし、日本側ももう少し穏健な態度を取る選択肢を持てたはずだ。その意味で、10年前の土下座外交路線は日中双方に禍根を残したと言って良いと思う。というか、相手がかさにかかって譲歩を要求してきた時にそのままそれに応じるのは下策、というのは喧嘩の常識だと思うのだが。

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Comments

いつも興味深い記事、ありがとうございます。
イギリスと大陸の関係と、日本と大陸の関係、という相似点には
大いにうなずく点があります。なぜだか、お隣同士の国ってうまく行
かないですよね (カナダとアメリカの確執って実は多くのアメリカ人も知
らないんじゃないでしょうか? 自分の知り合いのカナダ人は例外
なく米国嫌いですが、一方アメリカ人はカナダにまったく無関心です…)

参拝は、日本国内にも少なからず軋轢や動揺を生んでいるようで、
現時点では完全に外交カードとしての効力を失ったわけではないよう
にも見えます。完全無効化するためには、何と言われようと参拝を
続けざるを得ないわけで、そういう縛りもまたシンドイような気がします

Posted by: kozono | October 19, 2005 at 03:30 PM

A級戦犯問題を含む歴史認識や靖国参拝の意味合いについて、小泉首相自らの言葉や談話による十分な説明を抜かしたまま、「靖国参拝」という事実だけで、その意味合いを中韓首脳および日本国民(とりあえずここでは中韓の国民感情は置いておいてもいい)に納得しろ、理解しろというのは、さすがにちょっと無理というか、時間が掛かりすぎるというか、下手すると間違った理解を生むこともある方法でしょう。

そもそも政治家が自らの行動の意味合いについて、一般国民に必要以上の深読みを要求する状況ってのはあまり健全な状態とは思えません。

小泉に適切にまとめられた言葉で語る能力が無いとしたら(無いというのはここ4年で明白か?)、次期総理にその能力を期待するしかないわけですが、うーん適任者はいないような。それとも埋もれているだけなのかな?

Posted by: yoshi_ok | October 19, 2005 at 09:33 PM

ども、お久しぶりです。
靖国参拝・・・。まぁいつまで騒がれる事やら・・・。(と思ったので戯言を書いてみました。お暇な時にでも読み飛ばして頂ければ幸いです。笑)

Posted by: 名無之直人 | October 19, 2005 at 11:05 PM

>理解しろというのは、さすがにちょっと無理というか、時間が掛かりすぎるというか、下手すると間違った理解を生むこともある方法でしょう。

すべてを破砕して嘘という結合材も入れて練り込んだのが、今日「報道」と呼ばれている物です。
総理が100分熱弁をふるおうとも、どこにも伝わりません(笑

この環境下に適合したのが小泉純一郎という希代の喧嘩屋政治家なのです。

Posted by: ペパロニ | October 19, 2005 at 11:14 PM

わたしも、The Economist の日本特集をななめ読みしたところです。靖国の囲みのところだけは短いこともあって一応きちんと目を通しましたが、遊就館に対する強い違和感の部分が印象的でしたね。それと”Even the once slavishly pacifist left-wing daily paper, the Asahi Shimbun”のところ、やっぱり吹き出してしまいました。まいった、まいった。
遊就館に関してあまり政治的なからみは表面的にはないのですが、多少べつのアプローチもあるかもと思いまして、人気のある歌人の話を拙ブログで取り上げました。TBさせていただきました。では、また。

Posted by: かわうそ亭 | October 19, 2005 at 11:17 PM

玄倉川さんのところから飛んできました。非常に良質の記事の数々で過去ログまでさかのぼって読んでいるところです。

このルールの変更は日本にとって100利あって一害なしですね。小泉総理の勇気と先を見据えた計画性は本当に賞賛されるべきだと思います。

Posted by: 青い炎 | October 20, 2005 at 12:31 AM

こんにちは。
私に持ち合わせの無い斬新な切り口で、勉強になりました。

靖国関連について一般的な知識しかありませんでしたが、
『中国、韓国との関係が悪化する』『国益を考えるべき』
との論調には、常に違和感がありました。
一体、どんな関係が悪化して、どんな国益が失しなわれるのか
?が私には理解できなかったからです。

また、小泉首相の『他国が干渉すべきではない』と繰り返されるコメントには、その真意が分かりませんでしたが、なんとなく正しいことを言っているという感じがしたいました。

今回の馬車馬さんの記事を読んで、多くの点が整理されました。
『中国、韓国はリスクのない外交カードを切り続けていて、日本は小泉首相がそのルール変更をした。』
とても、すっきりとしました。

一つ気になることがあります。
それは、中国、韓国の国民に対しての今後の対応です。
日本は植民地にされた経験もなく、島国ということもあり、アメリカ対メキシコのような関係にはなれないのではないか?と思います。つまり、感情的な外圧を非常に敏感に気にしますし、負い目も感じてしまうと思います。

外交や国益で考えた場合は、ルール変更を行っても問題はないと思います。しかし、感情の問題が残ると思います。
これは、教育で時間をかけて解決するしかないと思うのですが、日本にその教育をルール変更とセットで断行する能力があるのかが疑問です。

それをしないと、日本がアメリカになってしましそうで、どうしても不安が残ります。

Posted by: taka | October 20, 2005 at 03:11 PM

御存じかと思いますが、
>宇宙船を飛ばすようになってもODAを出してくれたり出来るのだから素晴らしい。
対中国ODAは、低金利の借金を中国に貸すものであり、また返済も延滞することもなくきちんと返されているから、日本としては損はないはずですよ。

それについに去年には、中国への援助額よりも中国からの返済が方が上回ったのですが。

Posted by: shuichi | October 20, 2005 at 03:18 PM

1979年における1兆円と2005年における1兆円って価値が違いますよね?

返済しているといっても、時価換算すると中国はとても得してるんですよ^^;(余談だが実は殆ど返済していないという話もあるらしい・・・)

それに超低金利で約3兆1331億円もの大金を貸してくれる金融機関はありえませんよね。

そう考えると中国はとても日本に援助してもらってとても恵まれているのです。

もっと感謝すべきでしょう^^

Posted by: 名無し↑ | October 20, 2005 at 05:22 PM

コスト、という概念は意識しませんでした。
大変わかりやすく、興味深かったです。ところで、

>>日中に目先解決すべき重大な懸案はないし、日中首脳レベルでの対話が不可欠なほど東アジア情勢が不安定なわけでもない。

この部分はどうなんでしょう?東シナ海のガス田の問題は入内な懸案にはなりませんか?胡錦涛(一発で出ますねww)と話してどうにかなるものではないんでしょうけど。この点、ご教授頂ければ幸いです。

Posted by: かまきり | October 20, 2005 at 07:02 PM

kozonoさん、コメントありがとうございます。

やっぱり遠交近攻ということなんでしょうかね。孫子は偉大だったと。確かに、アメリカ人ってカナダに対しては無関心かもしれません・・・メキシコみたいに人が流れ込んでこないのでなおさら。もし韓国が静かだったら、日本も似たような無関心を抱いたのかもしれませんね。

とりあえず、動揺が国内外にあるうちはルール変更が周知されていない証拠ですから、しばらくは耐えて参拝し続けるのが肝要かなぁと思ってます。

Posted by: 馬車馬 | October 21, 2005 at 02:27 AM

yoshi_okさん、コメントありがとうございます。

私自身は、小泉首相はそれなりに(十分に、かどうかはわかりません)国民にも中韓にも説明はしていると思っています。ただ、明らかに伝わっていませんよね(日本人にはそれなりに伝わっているようにも見えます)。

結局のところ、これはこのような「交渉ゲーム」において、話し合いによる解決がいかに難しいかを示唆しています。詳細は「平和主義を唱える人たちへ」のコメント欄に書いたのでよろしければそちらを参照していただきたいのですが、こちらがした説明を相手が受け入れてくれるのは、相手にとってその説明を受け入れた方が得になるときだけです。説明には何の強制力もないですから。相手は自分の利益に基づいて受け入れるか、無視するか、反論するかを決める事になります。

結局、説明を受け入れてもらうにはそれ以外のなんらかのアクション(アメかムチ)を行うしかなく、「説明」単体での実効力はほぼ消滅します。一方で、アメかムチのアクションは「誠意ある」説明抜きでも有効なケースが大多数でしょう。

このあたりを扱う学問であるゲーム理論でも、単なる話し合いだけで問題を解決できるのはかなり限定的なケースだけである事が知られています。

そんなわけで、私は小泉首相の「説明不足」は非難するには当たらないと思っています。そもそも、不足と呼ばれる最大の理由は効果が上がっていないからであり、上で書いた事情から効果をあげる事は難しい以上は、どれだけ彼が説明しても「説明不足」という批判からは逃れられないのではないでしょうか。

Posted by: 馬車馬 | October 21, 2005 at 02:46 AM

名無之直人さん、エントリー拝見しました。

なかなか面白いエントリーだと思いましたが、そもそも日中がくっついてアメリカに当たる理由ってあるのでしょうかね?

Posted by: 馬車馬 | October 21, 2005 at 02:49 AM

ペパロニさん、コメントありがとうございます。

確かに、情報の受け手の問題のほかに、仲介者の問題も考慮に入れないといけないかも知れませんね。

Posted by: 馬車馬 | October 21, 2005 at 02:51 AM

かわうそ亭さん、コメントありがとうございます。The Economistはリベラルなのであり、リベラルにあそこまで書かれたという事実を朝日はよーく噛みしめる必要があると思います。

博物館ですが、やはりリベラルである以上は参拝それ自体を非難するのは信教の自由から言って不可能なので、政治的な博物館の存在を指摘する事で参拝に宗教を越えた政治的な意味合いがある事を示唆し、それを批判するという形にならざるをえないのではないでしょうか。私はちゃんとしたリベラルではないので、彼らの考え方はよく分からないのですが・・・

Posted by: 馬車馬 | October 21, 2005 at 02:59 AM

結局のところ、日米中3者の経済的な結びつきの重要性は、特に政局担当者であれば誰も否定は出来なくて、だから余計な揉め事は避けましょう、というのが主眼でしょうかね。

その揉め事ってのは靖国参拝なんてどーでも良いものではなくて、米国の疑心暗鬼というもっと厄介なものを日中協力して避けていきましょうね、という事でしょうか・・・。(表向きそうしているとは政局担当者達は認められない類の外交協力でしょうが。)

Posted by: 名無之直人 | October 21, 2005 at 09:52 AM

The Economistはこのところよい特集をしていますね。日本特集以後の号がまだ職場で回覧されてきていないので(←買えよと言われそうですが(笑))読めておらず、ご紹介されている内容は大変興味深いです。

追記の内容については、まさにそのとおりだと思いますが、日本のいわゆる「リベラル」派は「見たいと欲する現実」しか見ないので、気付かないのでしょうね。

Posted by: 麒麟 | October 21, 2005 at 11:32 AM

北京オリンピックは、2008年の8月8日から8月24日までの期間に開催されます。
ということは、8月15日はこの期間中にあるといううことです。
中国にとってこの期間中の参拝は悪夢以外の何物ではないでしょう。
今回の参拝でもわかる通り、参拝しようがしよまいが日本国内は微塵も動揺しません。それに対し中国国内は大荒れは必死でしょう。
もしオリンピック開催中各国からの選手や観客の目の前で、時の首相の靖国参拝を原因として昨年のサッカーアジア大会や、反日デモのようなものが起こったら、胡錦涛政権が潰れるくらいではすまないでしょう。
こう考えてみると、日本はとてつもない費用対効果で外交カードを手に入れたということですね。

北朝鮮の外交的バックは中国ですから、核問題、拉致問題ともに解決は近いかな?
昨日の産経新聞の一面トップは「遺棄化学兵器」でしたが、これも日本の望む通り解決しそうですね
東シナ海ガス田も尖閣諸島も同様かな

Posted by: KAN_CHAN | October 21, 2005 at 02:46 PM

馬車馬さんこんにちは。

名無之直人さんの考え方はすごく面白いと思いました。
実は私も似たような事をちょっと考えたりもしていました。

まあ一方で、小泉さんは本当に心の問題を優先させて参拝したのではないかとも思います。

いずれにしても日中が接近すると米国は警戒するでしょう。

もう中国にODAをやる必要はないというのは基本的に賛成です。
ただ、これはもう町村外相が既に中国と話し合いしたんじゃなかったでしたか。はいそうですか、ということになったような気がしてたんですが。

まあ中国問題はホントに重要かつ複雑ですね。私は中国通でもないのでちょっとどれが良いというのは本当にもうわからないですね。

Posted by: のびい | October 22, 2005 at 12:50 AM

あと私は直人さんではないですが、別に米国にたてつくとか対抗する意思など全くなくても独自に中国と組んで何かやるだけで警戒されるという事はありえると思いますよ。角栄なんかもそうだったらしいですけれども。。

Posted by: のびい | October 22, 2005 at 01:51 AM

青い炎 さん、コメントありがとうございます。過去ログまで目を通していただけるとは幸いです。

道義的な問題を捨象するなら、この件は今まで日本の一方的な譲歩であったわけで、どこかでバランスを立て直さないと対等の外交交渉が成立しません。小泉首相がどこまで考えていたのかは分かりませんが、彼のような人が居るべき時、居るべき場所にいたというのは日本にとって幸運なことだったと思います。

Posted by: 馬車馬 | October 22, 2005 at 07:54 PM

takaさん、コメントありがとうございます。

外交問題に限らず、どんな議論でもある程度の単純化や図式化は避けられません。そのとき、一体自分がその「図式」をどう定義し、なにを前提条件として仮定しているのかについて、語る人は自覚的でなければならないと思います。それをしないと、国益とかいった便利な言葉が上滑りしてしまうわけですね。その辺りの訓練をつんでない人が「プロ」に多すぎる気もします(偉そうな言い方でなんか気が引けますが・・・自分はどうなんだという話もありますし)。

文字通り国取り合戦を重ねて国を作ったアメリカと日本の国の成り立ちは根本的に違いますから、日本はアメリカ的な感じ方は出来ないように思いますね。アメリカは、そういう侵略云々に真正面から向き合ってしまうと、カリフォルニアやテキサスはメキシコに、その他の中西部はネイティブアメリカンに、それぞれ返さないとだめじゃんというところまで話が進んでしまいます。ですから、メキシコの反感といった話は最初からアメリカ社会に受け入れられないように見えます。

日本がその辺り、どうやってアメリカとは違う折り合い方を見つけていくのかは別途道義の問題として考えを深めていくべきだと思います。私はあまりアイデアがないのですが・・・。

Posted by: 馬車馬 | October 22, 2005 at 08:17 PM

shuichiさん、コメントありがとうございます。

名無し↑さんのコメントとも重なりますが、低利での貸付は援助そのものなのです。

例えば、30年ローンの金利が本来10%のところを5%で貸し付けた場合、日本は5%×30=150%と、貸し付けた元本の1.5倍のお金の受け取りを放棄していることになります。この分中国は純粋に得をしているわけですね。

Posted by: 馬車馬 | October 22, 2005 at 08:24 PM

名無し↑さん、コメントありがとうございます。

時価評価ベースで考えるのって結構じゅうようですよね。ODA債務のリスケジュール(返済延期)も実質援助しているのだと一緒だということに、当事者の日本と途上国双方が気がついていないという事すらあるようで・・・。

>実は殆ど返済していないという話もあるらしい・・・

そういえば、返済状況とかは統計資料でチェックできるのでしょうかね。

Posted by: 馬車馬 | October 22, 2005 at 08:29 PM

かまきりさん、コメントありがとうございます。

確かに、例のガス田の問題は懸案ですよね。ただ、落としどころとして中国が採掘し、日本が中国からキャッシュで支払いを受ける、というのは日中双方で暗黙のうちにコンセンサスのあるところだと思います。沖縄トラフがある以上日本では採掘できませんし。技術進歩が進めば話は変わるかもしれませんが・・・

日本の試掘も究極的には分け前の交渉のためのカードではと考えています。最悪ガス田に穴ぶちあけて大気中に放出してもいいわけですし(これはちょっとコストの高いカードですが)。

あのいざこざが偶発的な戦闘行為を引き起こすとまでは思っていないので(現状では日中の軍事水準が違いすぎるため)、比較的安心していいかな、と個人的には思っています。まぁ、素人考えですので何とも確実なことは分かりませんが。

Posted by: 馬車馬 | October 22, 2005 at 08:35 PM

名無之直人さん、コメントありがとうございます。

確かに、アメリカにとっては日中は反目してくれていた方が(大喧嘩しない範囲で、ですが)都合がいいのでしょうね。それに対して外交官のレベルでは日中の良好な(かつ対等な)関係構築の努力はなされるべきだと思います。
もし名無之直人さんがおっしゃるような腹芸が出来るレベルの関係を構築できているなら、日本の外交は安泰です。私自身はそこまで日本の外務省を信じていないのですが・・・

Posted by: 馬車馬 | October 22, 2005 at 08:42 PM

麒麟さん、コメントありがとうございます。

この号は他にも中国経済の話や、移民の話など、結構見所が多かったように思います。(そのせいでまだ今週号を読めていません・・・)

リベラルの在りようについては前々から?だったのですが、TBを下さったセカンドカップはてなさんや極東ブログさんの関連エントリーを読んで我が意を得た思いがしました。独善的になるのはしょうがないにせよ、守るべき一線は守って欲しいと思います。

Posted by: 馬車馬 | October 22, 2005 at 08:52 PM

KAN_CHANさん、コメントありがとうございます。

むしろ靖国カードは日本の交渉カードになりうるということですよね。すごく面白いですし、おっしゃるとおりだと思います。敢えてマイナスポイントを探すとすれば、日本の靖国カードはコストが大きい可能性が高いということでしょうか。

もしオリンピック時に羽織袴で靖国参拝をやらかした場合、醸成される社会不安は中国にとって大きなダメージになりますが、同時に在中日本人や日本企業の施設に対する被害、そして世界各国から「そうなることが分かっててやったんじゃないの?」という冷ややかな視線などなど、日本にとっても結構コストがかかるようにも思えます。中国が靖国カードを使っても我々に許される反応は最大で「丁重に無視」でしょうから、その点が問題になるかもしれませんね。

しかし、外交交渉のレベルでちらっとほのめかして見せたり、使いようによっては色々と面白いカードだと思います。

Posted by: 馬車馬 | October 22, 2005 at 09:09 PM

のびいさん、コメントありがとうございます。

頂いたコメントのいくつかがリプライの暇もなくコメントリストを水面下に沈んでしまいました。ごめんなさい。もう少しお時間を頂きたく・・・

もちろん、大国にとっては大国の間に挟まれた小国がちょろちょろと立ち回って両方と誼を結ぶ、というのは不快でしょう。特に日本は小国とは到底言えないサイズの国家であり、我々の選択次第でパワーバランスが変化する恐れもあるのですから、アメリカの態度は当然だと思います。

韓国クラスの国であれば、大国同士の緩衝地帯となることで両方とそれなりにうまく付き合うことも出来るわけですが(逆に、緩衝地帯の国がはっきりとどちらかに加担してしまうとそこが戦場になります。日清日露の両戦争がそれです)。

で、現状野の物とも山の物とも知れない中国と手を結んでアメリカを切るという選択肢はありえない以上、あまり中国に擦り寄る戦略は得策ではないと思います。むしろ、10年後の真剣かつ微妙な外交交渉に備えて、対等な交渉ルールを確立しておくことこそが重要ではないだろうか、と。結局、ここで言うルールとは「互いに相手の行動を読みきって自分の行動を決めるようになった結果、Aのカードを出せば相手はこう動く、ということが確信できるようになり、あたかも両プレーヤーがルールに乗っ取って行動しているかのように見える状態」を指します。

このルールを作り直すためには、日中両国がいろんな行動と反応を今のうちに試しておくべきだと思うのです。

Posted by: 馬車馬 | October 22, 2005 at 09:23 PM

以前どこかで中国人を働かせる方法として、褒め上げて追い込むという話を読んだ記憶があるのですが、The Economistが日本人に対して同じことを行っているのではとちょっと思ったわけです。日本国内でまとまっているとは思えない靖国を持ち上げて、国際的に認められていると錯覚させて…梯子を外すのではないかと(^^;

国の命運をかける同盟をどうするかという話(左の人が安保破棄なんて叫んでいるので誘導されがちですが)では、アメリカに付くほかないのですが、私は別の次元の話が気になるわけです(日本が中国に対する牽制役をわざわざ引き受けるなら誰が得するかはありますがね)。

要は日本がODAをぶち込んで育てた中国市場を誰が刈り取るかという話です。日中間が経済紛争に至らない範囲で国民感情が悪化していれば、日本以外のEconomistにチャンスありでしょう。NYTとでマッチポンプしてるようにすら見えるアメリカにとっての遠交近攻はどうなのか。私は再びの経済敗戦も有り得る気がしています。穿ち過ぎかな?

Posted by: 通りすがりでごめんなさい | October 22, 2005 at 10:13 PM

連投で申し訳ありません。

一過性のごたごたかもしれませんが、中国側の面子をつぶすことについて私はあまり楽観できません。何せ周恩来が田中角栄の面子を立てたぐらいの国ですから…杞憂かな?

Posted by: 通りすがりでごめんなさい | October 22, 2005 at 10:19 PM

あれ?ODAの原則として、きちんと返済しなければ貸付しないといったものがあるのですが、、、。
ただアフリカの最貧国の国々なんかは、支払期限の延期として先延ばしにしていますが、中国からはきちんと返済されています。それに日本の円借款(ODA)の援助国は、インドネシアであり、ここからは、中国とは違い満足に返済されていないといった実情があります。

http://www2.ttcn.ne.jp/~honkawa/0960.html

>例えば、30年ローンの金利が本来10%のところを5%で貸し付けた場合、日本は5%×30=150%と、貸し付けた元本の1.5倍のお金の受け取りを放棄していることになります。この分中国は純粋に得をしているわけですね。
これは、過去にODAを受けていた日本にも当てはまることで、別に損得を問題とするものではないと思います。

Posted by: shuichi | October 22, 2005 at 11:20 PM

すみません。ミスりました。

>日本の円借款(ODA)の援助国は、インドネシアであり

日本の最大の円借款(ODA)の援助国は、インドネシアであり

ちなみに、上記のサイトに載っていないので、もう一度書きますが、04から中国は、ODA返済額が給与額を上回りました。

Posted by: shuichi | October 22, 2005 at 11:25 PM

> shuichiさん

>これは、過去にODAを受けていた日本にも当てはまることで、別に損得を問題とするものではないと思います。

ですから、過去日本は貸し付けと言う名の援助を受け、中国も日本から貸し付けと言う名の援助を受けてるというだけの話かと。いずれにしても日本が中国に援助をしてる事実は変わりないわけですし、日本もいつまでもその援助を受け続けてたわけじゃにように、中国への援助も永遠に与え続けるわけにはいかないわけです。
そもそも損得を問題にしていたのは shuichiさんご自身だったのでは?

>対中国ODAは、低金利の借金を中国に貸すものであり、また返済も延滞することもなくきちんと返されているから、日本としては損はないはずですよ。

Posted by: 通りすがり | October 23, 2005 at 01:00 AM

それと、ODA返済額が給与額を上回るのも別に不思議な話ではありません。一番わかりやすい話、ODAを打ち切った年はODA返済額はあっても給与額は0になるわけですから。この先最終的には対中ODA打ち切りに向け給与額は減っていくことになるでしょうから、この傾向は続くでしょう。あえていえば、低利のODAによる損失は、もしそのODAの額を(もっと高利の)別の投資にしていたら得られたであろう高い返済額と、低利の対中ODAの低い返済額の差がそのまま損失になるわけで、今年の給与額と返済額で計れるものではありません。
日本もかつて国際社会から援助を受けていたと言う話はわかりやすい話で、もし日本が援助を受ける立場の時、有人ロケットを打ち上げれば、ようやく日本も独り立ちできるようになったと、世界は喜んで援助打ち切りを検討したことでしょうし、今まさに日本にもそう言う検討の時期が来てると言うことでしょう。

Posted by: 通りすがり | October 23, 2005 at 01:23 AM

他人様のブログで、第三者が盛り上がるのはどうかと思いますけど、、、。

基本的に日本のODAは、戦後賠償の代わりとなっているのをお忘れなく、それと中国は、国家としての戦後賠償を放棄している点も重要だと思います。対中ODAを打ち切るのならば、打ち切れば良いですけど、ODA給与先として、一番優良なのが中国だという事実も心に止めておく必要があると思います。事実、中国を越えて、一番の相手であるインドネシアからは、まともに払ってもらえていない状況であるということ。
http://www2.ttcn.ne.jp/~honkawa/0950.html

で、対中ODAを辞めた場合日本のODAは一体どうなるのですか?
先進諸国で、ODAが減っているのは日本だけのようですし(それでも2位ですけど)、マトモに払ってもらえない相手に続けるのですか?
http://www2.ttcn.ne.jp/~honkawa/0800.html

人道的観点から、中国の代わりに最貧国に援助するというのならば、多少は分かるのですが。(が、最貧国に対する給与は少ない。)
普通、問題にするなら支払いがマトモになされていない国だと思うのですが、、、?

Posted by: shuichi | October 23, 2005 at 02:09 AM

確かに他人様のブログでマズイので私はこれを最後に。

まず仮に賠償代わりであれ、賠償金は当然のことながら無限に払うものではありませんのでいずれにしてもいつかは止めるときが来ます。また、この議論に関しては、そもそも賠償金として払っていた方が額がはるかに小さく済んだはずだという議論が昔から指摘されています。

次にODAはそもそも援助を目的としたものですので、必ずしも返済できるかどうかが一番の判断基準ではなく、やはりその国の発展ぶりが第一の基準でしょう。有人ロケット打ち上げは当然その判断基準です。それだけの技術と財政があるのならもはや援助は必要ないと判断しても差し支えないでしょう。

最後にODA総額ですが、当然これも日本の予算から支払われます。その総額は予算全体のバランスから考慮されるもので一概に減ってはいけないというものではありません。日本の予算はご存知のように多額の赤字国債で賄われその財政再建が急務なこと、そのためODAだけでなくすべての予算が削減の方向に向かってることからも、ODA総額の削減は当然のことでしょう。

Posted by: 通りすがり | October 23, 2005 at 02:52 AM

馬車馬さん

コメントありがとうございます。
中国に関しては一般大衆の反応と北京政府が考えていることは分けて考えた方が良い可能性もあるように思います。そもそも、中国政府の高官が、本当に靖国をそれほど問題視しているのか、それとも実は意図的に騒いでいるのか、この辺は私にも非常に不可解なところです。しかし金をふんだくろうという事が主眼ではなく共産党の求心力を高めるためと考えた方が私には納得がいきますが。現在の日本の国家財政がヤヴァイということも彼らは百も承知でしょうし。

日本にとっては常任理事国入りに賛成するんなら靖国やめるぞとか
言ったふうなカードとして使うことも考えられないわけではありません。
実際、中国がそういうことをにおわせてきた次の日に参拝したわけですが、あれが本気だったのか、それともツリだったのか。謎です。
まあ仮にコキントウ政権が親日路線に戻したい場合には靖国は確かにネックのひとつにはなるんでしょうが。

まあでも韓国は少なくとも何か考えているというよりも単に反発してるんだろうなあという気がします。

Posted by: のびい | October 23, 2005 at 04:58 AM

こんばんは。
ほぼ全面的に同意します。外交なんてもんは、クールにやるものと思います。国民感情は、別の話。安倍晋が中国人留学生の拡大を提案していますが、日本政府もソフトパワーの点では対策を考えているのでしょう。

そこで一点、質問です。
私も、中国政府は日本に対して戦争をしかけるつもりはないと考えています。実利主義の彼らがそんなことをするはずはありません。
しかし、中国の軍部の暴走という可能性を捨てきれないのです。先日の中露軍事合同演習でも胡の姿はありませんでした。
この軍部という勢力の動きについてはどう考えられますか?

韓国は、スルーしておけば良い話だと思います。

Posted by: ケンタ | October 23, 2005 at 10:54 PM

まぁ中国政府が戦争を吹っかけることはないでしょうね。お隣にいる上客を殺してもなんの利益もありません。金の卵を産む鶏を殺す寓話のようなものです。それよりあり得るのは中国がソフトランディングを果たす前に崩壊し、地方軍閥が暴走するというシナリオですね。兵を養う事千日、用いるは一朝にあり。軍隊ってのは本来非常時に備えて持つものなのに平時を見て「軍など必要ない」とかいう平和主義者たちには困ったものです。

あとガス田は中国にあげてしまっていいです。どうせパイプラインは向こう側にしか引けませんし。

Posted by: bob | October 24, 2005 at 12:27 PM

bobさんありがとう。

中国はやっかいな国ですね。

友人に報道機関で中国専門屋がいます。彼によれば、東トルキスタンはバグダッドなみではないけれど、自爆テロの嵐が吹き荒れているそうです。報道協定で報じられることはないけど、このイスラムの波もかなりやっかいです。確実に近づきつつあるようですね。

Posted by: ケンタ | October 26, 2005 at 11:05 AM

                            中国を追う前に言っておくッ!
                    おれは今、小泉のスタンドをほんのちょっぴりだが体験した
                  い…いや…体験したというよりはまったく理解を超えていたのだが……
         ,. -‐'''''""¨¨¨ヽ
         (.___,,,... -ァァフ|          あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
          |i i|    }! }} //|
         |l、{   j} /,,ィ//|       『中国が「靖国カード」をちらつかせていたと思ったら、
        i|:!ヾ、_ノ/ u {:}//ヘ             いつのまにか日本が「靖国カード」を持っていた』
        |リ u' }  ,ノ _,!V,ハ |
       /´fト、_{ル{,ィ'eラ , タ人        な… 何を言ってるのか わからねーと思うが
     /'   ヾ|宀| {´,)⌒`/ |<ヽトiゝ        おれも 何をされたのか わからなかった…
    ,゙  / )ヽ iLレ  u' | | ヾlトハ〉
     |/_/  ハ !ニ⊇ '/:}  V:::::ヽ        頭がどうにかなりそうだった…
    // 二二二7'T'' /u' __ /:::::::/`ヽ
   /'´r -―一ァ‐゙T´ '"´ /::::/-‐  \   チャイナスクールの根回しだとか土下座外交の成果だとか
   / //   广¨´  /'   /:::::/´ ̄`ヽ ⌒ヽ    そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
  ノ ' /  ノ:::::`ー-、___/::::://       ヽ  }
_/`丶 /:::::::::::::::::::::::::: ̄`ー-{:::...       イ    小泉の政治手腕の片鱗を味わったぜ…

Posted by: ポルナレフ | October 27, 2005 at 12:23 AM

通りすがりでごめんなさいさん、リプライが盛大に遅れてごめんなさい。

とりあえず、The Economistはリベラルで知られた雑誌ですので、流石にそういう策謀はめぐらさないのではないかと。

ODAの収穫をどうするかですが、それを持って経済敗戦のような位置づけをする必要は無いと思います。そもそも、ODAは収穫が期待できるようなものではないことは過去のODA関連エントリーで書いたのですが、たとえ収穫が可能だとしても、収穫それ自体にコストとリスクが伴うことは気をつけなければならないと思います。収穫のために借金して大型機械を買っても、その直後に不作になったら破産です。そして、中国経済のリスクは決して小さくないと理解していますので。

中国の面子の問題は別途考える必要はありますが、本質的には中国の面子は中国自身が解決すべき問題であり、我々がその面子を利用できる場合を除いて、我々が第一義に考慮すべき問題ではないと思います。

Posted by: 馬車馬 | October 27, 2005 at 10:54 AM

初めまして。いつも楽しく読んでいます。
>靖国問題は外交交渉のテーマではなく、外交交渉の手段に過ぎない
全くですね。それ自体は表層的な「意図」を指すものでしかなく、靖国をテーマにするってことは「中華属国になるや否や」と議論しているのと変わりません(苦笑。
靖国カードは支持率に影響しない時点で期限切れ、中国の反日暴動で逆王手(おかしな日本語)のように日本側が切ってもおかしくない外交カードになったと見ています。

しかし外交ルールが変わった、のは確かなのですがトライアンドエラーをしまくっているのは中韓ではなく日本のマスコミのような気がするのですが、日本のマスコミは大丈夫なのでしょうか?(苦笑。

※このエントリーに拙blogよりTB送ったのですが反映されません。ライブドアブログからなのですが弾いているのでしょうか? かなり悲しいです(笑。

Posted by: 藤塚 | October 30, 2005 at 09:02 AM

shuichiさん、通りすがりさん、コメントありがとうございます。リプライが思いっきり遅れてごめんなさい。

ODAが賠償の代わりであるということは確かですが、むしろ「結果として、いくらのお金を中国に支払ったのか」という計算をマスコミ辺りがちゃんとしてくれれば良いのですが。その辺り、ODAの議論はまだまだ現状認識の段階から不十分だなぁと感じます。

恐らく、「賠償金を支払った方が安上がりだった」という通りすがりさんのご指摘は正しいだろうと思います。ただし、それ自体は私は止むを得ないと思っております。もし日本が全く経済発展しなければ彼らは完全に取りっぱぐれていたわけで、そのリスクに見合ったrewardを受け取る資格はあるでしょう。

shuichiさんの「ちゃんと中国に返済しているのだからODAを続けても良い」というご意見には私は反対で、むしろ返済されているからこそ止めるべきなのです。彼らはそれだけの信用を金融市場で勝ち得たわけであり、我々が貸さずとも自力で資金を調達できます。そういう国に日本が国家としてお金を貸す必要はありませんし、また貸したところで中国にとっては「低金利をエンジョイできる」以上のメリットはなく、日本としては全く「恩を売れません」。

むしろ、カネを返せそうにない(と思われている)国にこそ、ODAの価値があります。彼らは他に貸してくれるところがありませんから。

というわけで、そもそも「賠償の代わりにODA」というのが当初の約束であり、ODAの定義は開発途上の国に必要な資金を貸し付ける/供与する制度である以上、彼らが十分な経済発展を果たした現時点でODAを打ち切っても、我々はなんら約束を違えたことにはなりません。むしろ賭けに勝ったのは彼らな訳ですし(そして、経済発展初期に多額の賠償金を取られていたら我々も危なかったわけで、その意味で中国の賠償請求権放棄はwin-winな結果に終わったといえると思います)。

Posted by: 馬車馬 | October 30, 2005 at 09:53 PM

のびいさん、コメントありがとうございます。

内政問題としての反日は少し靖国カードの話とは離れるので今回は書かなかったのですが、あれも日本の「戦略」が長いこと土下座外交スタイルだったことを受けて、合理的判断としての仮想敵国の設定だったのだと思います。それが10年足らずで首相も、そして何よりも日本の世論の動向がまるで変化してしまったため、「話が違うよ」ということになっているのかもしれませんね。

「安保理賛成してくれたら靖国に行くのを止めてやる」というのも一法ですが、もともと日本が常任理事国入りするのに反対する理屈はほとんど存在しないわけで、むしろ靖国を突っぱねたまま中国に判断を迫っても面白いとは思いますね。私はそれほど常任理入りを重視していないからこういうことを書けるわけですが。

Posted by: 馬車馬 | October 30, 2005 at 10:09 PM

ケンタさん、bobさん、コメントありがとうございます。

とりあえず、軍部がそこまでの暴走をする頃には中国の内政が破綻している可能性が大ですので、日本としては中国をそこまで追い詰めないように気を配る必要が出てくると思います。昔北朝鮮の大貧民爆弾のリスクについて書きましたが、北朝鮮と同程度の所得しかない人たちが中国にはごまんと(というか、億単位で)いるわけです。現在の日中経済のつながりを考えても、中国があまりひどい混乱に陥るのは日本にとって望ましいことではありません。

ただ、将来的に塩を送るにしても、それを貢物と勘違いされてしまっては交渉に差し障りがあるわけで、そのためにも今のうちに「ルール変更」を急ぐ必要があるのだと思います。

ガス田なんか要らない、という意見には私も賛成しますが、中国には「no free lunch」という言葉をかみ締めてもらわないといけませんから、今後も力の限り嫌がらせをして、可能な限りの権益をふんだくるべきだと思うわけです。10年、20年後の良好な日中関係のために。

Posted by: 馬車馬 | October 30, 2005 at 10:48 PM

ポルナレフさん:

どうも、ブログにAAは相性が良くないようで・・・

Posted by: 馬車馬 | October 30, 2005 at 10:50 PM

藤塚さん、コメントありがとうございます。

靖国カードが逆に日本の手札になるかどうかについては、私はちょっと悲観的であったりします。彼らが靖国カードを自由に使えるのは、それに対する日本の反応が極めて弱いものだったからで、もし日本国民がずっと野蛮で、彼らが靖国に文句を言うたびに韓国料理店に焼き討ちを仕掛けたり、逆切れして全ての外交交渉を打ち切っていたりしたら、彼らにとっての「カードのコスト」はもっと高くなっていたはずです。

逆に、日本がこのカードを積極的に使うと、中国での日本企業が危なくなったり、最悪中国における社会不安を醸成することにもなりかねません。それは日本にとって決して得にはならないと思います。また、「靖国は外交交渉の俎上にのぼるような話ではない」という小泉首相の(意図せざる?)シグナルにノイズを混ぜることにもつながり、「ルールの変更に伴う混乱」を長期化させる恐れもあるかな、と。

マスコミですが、恐らく、中国政府が日本政府の動向を見ながらトライアンドエラーをしているように、マスコミは中国政府を見ながらトライアンドエラーをしているのだと思います。ですから、中国の動向に日本のマスコミは遅行するわけですね。

TB、入りませんでしょうか。私はそういう設定は一切していない(というか、やり方を知らない)のですが・・・。どうも、夜遅くはココログのシステムが極端に遅くなっているようですので、それが原因かもしれません。もう一度お試しいただけませんでしょうか。

Posted by: 馬車馬 | October 30, 2005 at 11:02 PM

返信ありがとうございます。
>マスコミ
マスコミが中国に引きずられている、ということことですね。世論形成に影響を与えていた時代の栄光を引きずっているように見えますが、確かにあの時間差のある反応は遅行と表現するのが適切ですね(笑。

>靖国カード
靖国カードは大きく使うのではなく「対北朝鮮包囲網」の一環、経済制裁の協力を仰ぐという一点に絞れば使う価値が「あった」のではないか、という考えです。中国をゲームに引きずり込んで、「実体」の伴わない日本国内の靖国騒動をマスコミを通じて演出して見せ、拉致問題を前進させるために使えたのではないかという結果論です。
日本の手札として悲観的という馬車馬さんの見方には全く同意でして、説明が足りませんでした。

これからも更新楽しみにしています。丁寧な返信ありがとうございました。
※TB無事に送れました、お騒がせしました<(_ _)>

Posted by: 藤塚 | October 31, 2005 at 08:09 PM

馬車馬さんお返事ありがとうございます。

外相、官房長官ともに対中強硬派をそろえ、比較的中国寄りの福田氏を
外したことで、小泉さんはかなり明確なメッセージを発していますね。

まあ靖国も、本当のところは、外国がどうこういう、という以前にどうするかしっかりと考えるべき問題だと思いますが。

今回の参拝の後は、結局デモなども問題もなくしっかりと中国政府が抑えた格好になっています。要するにコキントウ自身がもう問題は避けたいと考えていることが表れています。ということは逆に靖国に参拝し続けることで逆説的に却って中国の反日教育を抑制する効果もあるのかもしれません。

Posted by: のびい | November 01, 2005 at 02:12 AM

藤塚さん、コメント&TBありがとうございました。

TB先も拝見しましたが、ご紹介されている朝日新聞の記事、内容云々以前に文脈がめちゃくちゃで意味が分かりませんね(中韓は日本と縁を切れない、という話とその後が全く繋がっていません。さらにその後、『参拝に~』の段落とも断絶しています)。これは駄文としか言い様がないと思うんですが、それとも私の国語力がないんでしょうか。

Posted by: 馬車馬 | November 03, 2005 at 08:45 AM

のびいさん:

胡錦涛が追い詰められているのは間違いないと思うのですが、問題なのは彼が失脚して江沢民の子分がのし上がってくるともっとタチが悪いということですよね・・・。本当は今こそ妥協のタイミングなんですが、まずは対等かつ健全な(対中国の)立ち位置を確保しないことにはどうにも動きが取れません。村山橋本内閣その他がもう少し厳しく当たっていれば、今の日本の選択肢はもう少し増えていたと思うんですけどね・・・

Posted by: 馬車馬 | November 03, 2005 at 08:58 AM

馬車馬さん

確かにそんな事があったら最悪ですね。
そういう意味でも靖国参拝して欲しくない、ということで
常任理事国問題などで妥協的なメッセージを出してきたという事でしょうか。
軍は反日傾向が強いようですね。

Posted by: のびい | November 04, 2005 at 02:44 AM

今更なんですが、エコノミスト誌がリベラルだから、遊就館に対して批判してたんだろう、というのはちょっと違うんじゃないかなと。

靖国の歴史観っていうのは、基本的に、大東亜戦争の大義を追認ということになる。つきつめると、白人支配からアジアを解放するために日本は戦った、極端に言えばまさに鬼畜米英、ということなんですね。
例えば、そもそも親米右翼なんてものは本質的にはあり得なくて、親米ということはそもそも本当の右翼ではないというのが私の考えです。
親米というのは右翼的な思想から出てくるものではなくて、現実主義から出るものです。

だから、米英の保守層が靖国的な史観を支持するなんてことはそもそもあり得るわけもないわけで、私はエコノミストがどの程度リベラルなのか知りませんが、リベラルだから批判したという筋のもんではないだろうと思うのですね。

Posted by: のびい | November 07, 2005 at 03:19 AM

のびいさん、コメントありがとうございます。

究極的には日本の敵は胡錦涛ではなく人民軍なのだと思います。そういう認識に至ったときには日中は共通の敵を得て同盟関係に至ることが出来ると思いますが、それはすなわち中国が内乱に陥っているということと同義ですので、やっぱり望ましくないですね・・・。

リベラルかライトか、という議論は実のところ私にはよく理解できていないところがあるので、のびいさんのご指摘にはあまり反論できません。なんとなく、現実主義と右翼は重なる部分もあるように思うのですが。理想主義=左翼、現実主義=右翼、みたいなイメージだったのですが、あまり自信がありません。

Economistがどれくらいリベラルかは私にも良く分からないのですが・・・(WSJとNYTあたりを読み比べないと分からないかもしれません)それほど左に偏っているイメージはないですね。

Posted by: 馬車馬 | November 08, 2005 at 08:41 PM

馬車馬さん。こんにちは。

私の考えでは現実主義と右翼が重なるというのは、戦後の日本の知識人、言論界が、戦前の反動から、逆に左に寄り過ぎていたことからくる誤解ではないかと思います。

例えば、左寄りの人は、小泉は極右の軍国主義者だとかそういう事を言いますね。冷静に考えれば全然そんなことはないわけですが。

右の人と左の人は、現在の周囲の状況よりもなにかの理念を極度に尊重し、また攻撃であるという点で大きな共通点があります。

私が初めの頃に中国敵視に関して疑問を呈した時に左よりと見られたかもわかりません。が、左寄りの人が、憲法を変えようとする人を軍国主義者扱いしたり(実際にはただの現状追認にすぎないわけですが)、中国との関係を重視しようと主張する人に対して左翼というレッテルを貼ったり、こういう風潮にはどっちもどうなのかなと。

日本人は、与えられた条件の中で頑張る、ということには非常に優れていると思います。フランス人のみならず、欧州人はとてもではないが日本人のようには働けません。
ただ、戦前は、軍が政治に影響力を持ちすぎたため、状況判断の面で失敗してしまったと思います。これは、軍があることは全く当然なので、大切なのはシビリアンコントロールだと思いますが、日本の左翼の人は非武装中立にすべきとか極論になってしまう。

戦後は、一貫してアメリカに依存してやってきてそれで十分成功してきました。ただし、これからアメリカの力は相対的には衰えてアジア諸国が経済的に台頭してくる流れの中で、日本としてどう立ち回っていくのか、どんどん複雑化していきます。
外交問題について日本人が考える必要はかつてなく高まっていると思います。

Posted by: のびい | November 12, 2005 at 08:33 PM


のびいさん:

私は右、左の分類のようなイデオロジカルな議論がどうもぴんときません。どちらかといえば、自国の国益に沿った形での理念を積極的に創造・発信していくべき、と思います。ある意味、アメリカがやった中国に対する「門戸開放」とかモンロー主義とかはその一例かもしれませんね。

理念というのは議論や比較の対象にならず、それゆえに切磋琢磨が難しいため、独善や現実からの有利を招来しやすいような気がしています。この辺りはむしろ哲学の範疇かもしれませんが。

Posted by: 馬車馬 | November 19, 2005 at 08:55 AM

とうとう小泉首相の口から「靖国」カードの無効宣言が出されましたね。
中国メディアは早速反発しているようで、馬車馬さんのご指摘どおり、しばらくは年中行事のように参拝と抗議のやり取りが続きそうです。
トラックバックさせていただきました。

Posted by: tomber | December 01, 2005 at 07:05 PM

tomberさん、コメント&TBありがとうございます。

これから中韓がどうこの問題に対応してくるか、日本は注意深く観察する必要があると思います。国内の不満を抑えるのか、むしろたきつけるのか。それで、中国の内政能力・外交戦略がある程度明らかになるのではないかと。今後10年間の日本の対東アジア外交の基本戦略を定める上で、貴重な情報になると思います。

後ほど、そちらのブログにもお邪魔させていただく予定です。

Posted by: 馬車馬 | December 05, 2005 at 12:05 AM

今更ですが、産経新聞の麻生太郎外務大臣と屋山太郎氏の対談(http://www.sankei.co.jp/news/051228/morning/28pol003.htm)で、麻生氏が

「かつては、こう言えばああ受けるという歌舞伎みたいなルールがあったが、小泉政権になってこちらは突如現代劇になったもんだから、波長が合わなくなった感じではないですか。こっちは現代劇を見てるつもりなので別に違和感はないが、向こうは『あれっ』て感じで…。」

と語っています。

少なくとも政権内では「ゲームのルール」を変えたという認識は十分にあるようですね。「靖国問題は後継総裁選びの争点にすべきでない」という政権内部からの発言も、この認識に沿った中・韓に向けたメッセージだとみるべきなのだと思いますが・・マスコミはどうやらルール変更を未だに認識できていないように見受けられますね。

Posted by: 麒麟 | January 14, 2006 at 02:47 AM

麒麟さん、コメントありがとうございます。リプライが遅れてごめんなさい・・・日々が経つのって本当に早いです・・・。

しかし、麻生さんはさすがにうまいことをいいますね。こういうのを皮膚感覚だけで捉えているのだとしたらすごいなぁと思います。

これがある種のメッセージである可能性はあると思います。ただ、昔のエントリーやコメント欄で何度か書いているのですが、話し合いだけで解決できる問題というのは、実は多くの人が信じているよりもはるかに少ないのだと思います。結局、言葉に行動をもって裏付けを与えない限り、相手は信じてくれないのだと思います。これは中国が悪いのいうのではなく、一般的にそうなるだろうと。

ですから、こちらとしてはconsistentな行動をこそ心がけるべきだと思います。

Posted by: 馬車馬 | January 19, 2006 at 03:19 AM

我们迟早会有一次战争来解决一些不能解决的问题,下一次就是东京大屠杀

Posted by: 中国 | September 17, 2006 at 01:43 AM

Great writing! You might want to follow up on this topic :P Barton

Posted by: insurance adjuster schools | December 16, 2010 at 09:31 PM

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Tracked on October 20, 2005 at 01:00 AM

» [past][時事] The Economist の論説 [gachapinfanのスクラップブック]
  マーケットの馬車馬 「靖国」カードが消える日 http://workhorse.cocolog-nifty.com/blog/2005/10/post_7e0b.html   The Economist の論説は中韓に批判的とのことです。 (ちなみに原記事は有料のためまだ読んでません・・・。)   馬車馬さんのエントリに関して言うと、どうでもいいけど、ルールっていうのはふつう、一方のプレイヤーが「これ変えるし!」と言って変更できるものではないです。そういうのは「ルール変更」とはいわず「ルール違反... [Read More]

Tracked on October 20, 2005 at 01:42 AM

» 東京での無意味な挑発−小泉靖国参拝についてのニューヨークタイムズの社説- [Sasayama's Weblog]
2005/10/18 <!--adsense--> 以下は、今日のニューヨークタイムズの社説『Pointless Provocation in Tokyo 』の概訳です。 自らを、現代的な改革者として、示しえた選挙を終えたばかりの日本の小泉純一郎首相は、今度は、日本の軍国主義の、もっとも悪しき伝統�... [Read More]

Tracked on October 20, 2005 at 07:26 AM

» 外交カード「靖国」考 [彷徨える夜の魂]
マーケットの馬車馬: 「靖国」カードが消える日 ”Even the once s... [Read More]

Tracked on October 20, 2005 at 07:43 AM

» NYT社説紹介★首相の靖国参拝は「無意味で無益な挑発」だと? [松尾光太郎 de 海馬之玄関BLOG]
10月17日に行われた小泉首相の靖国神社参拝は近隣諸国、就中、中国に対する「無意味で無益な挑発」(Pointless Provocation in Tokyo)だ。米紙The New York Timesがそう述べた。10月18日付の同紙社説(Editorial)。The New York Times(NYT)はカルト的なリベラル系新聞として有名であり、米国のサイレンとマジョリティーたる保守派からは真面目に相手にされていない(実際、批判どころか読まれさえしない)。それは米国東部のインテリリベラル..... [Read More]

Tracked on October 20, 2005 at 11:45 AM

» 小泉首相 靖国神社参拝で思うこと [Think positive, act positive]
「靖国」カードが消える日というタイトルで、マーケットの馬車馬さんが小泉首相の靖国神社参拝について興味深い記事を書いている。総論、賛成である。 個人的見解だが、靖国神社参拝についてはいくつかの軸が複雑に絡まっているように感じる。 1.信教の自由に関する問題 たとえば、私は個人的に神道を信じない。したがって、これが神道の神社としてあるために、今後も死ぬまで、参拝することはない。国家の代表たりうる人が、公人としてこれを参拝することにも、基本的に反対である。日本が、国家組織として神道を信仰する... [Read More]

Tracked on October 20, 2005 at 02:22 PM

» 051020メモ [gekka blog]
マーケットの馬車馬: 「靖国」カードが消える日 中国の戦略核の相当数は日本各地を狙っているのだろうが、日本を焼け野原にしたら中国経済も立ち行かないので(「大丈夫か韓国(2) 「相対的」弱小国の悲哀」で書いたとおり、中国は100ドルの製品を輸出するために75ドル分を輸入しなければならない。先端部品を日本から輸入できなければ中国の輸出は成り立たない)、中国は核を背景にした外交は展開できないし、当然禁輸措置などの脅しも無効だ。今の中国には、日本との貿易を止める痛みをこらえてでも日本から奪いたいものなど存在... [Read More]

Tracked on October 20, 2005 at 06:13 PM

» [ニュース]日はまた昇る? [Living Dead]
ちまたで話題のThe Economist のThe sun also rises 特集を読んだ。 「ガンガンに強気ですよ社長!!」といったどこぞの株屋がやるような論調とは異なり、「ひょっとしたら良くなるかもね。まあ、過去の15年に比べればましなんじゃない?」という、比較的客観的な話だった。 一部についてわかりやすいまとめはコレ http://workhorse.cocolog-nifty.com/blog/2005/10/post_7e0b.html#more ということで印象に残った点。 ... [Read More]

Tracked on October 21, 2005 at 12:40 AM

» 喉の奥 腫れて腐って 声が出ぬ されども意思は ネットに走り [(前略)日記。]
本格的に風邪が酷くなってきました。 もはや喉の奥がヒリヒリしてどうしようもありません。 顎の下を触ると扁桃腺が腫れたのかコリコリしてるのが分かります。 それでもタバコを辞めない所が喫煙と言う病。本人が治療する気ゼロ。 朝方には体が全く動かず布団から出たのは12時過ぎ。講義は全部自主休校。ああ、また単位がやばい事になりそうだorz 書く書く言ってる麻生大臣の記事は調べれば調べるほど面白い人で資料集めが追いついて無い状態。... [Read More]

Tracked on October 21, 2005 at 01:10 AM

» 三者三様に [華胥随想]
いい加減にしてくれ。 意地になって参拝する小泉も小泉だし。 賽銭投げただけでぎゃーぎゃーわめく中韓も中韓だし。 いちいち騒ぎ立てるマスコミもマスコミだし。 まあ今回の一連の報道で一番???な発言は参拝には反対の前原代表の「ポケットから小銭出してチャリーンだ..... [Read More]

Tracked on October 21, 2005 at 01:19 AM

» 靖国参拝と現在も弾圧し続けてる中国 [白の女王]
報復的措置の可能性も 神舟祝賀に冷や水 中国では同日未明の有人宇宙船「神舟6号」の無事帰還で祝賀ムードが広がっていただけに、首相の靖国参拝で冷や水を浴びせられた形だ。新華社通信は、靖国参拝をただちに報道した。 胡錦濤国家主席は9月3日の演説で、日中関係に多くの時間を割き対日重視を堅持する姿勢を表明。中国としては、抗日戦争勝利60周年の一連の記念活動に一区切りを付け、関係改善の機運をつくろうとしていた。 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051017-00000... [Read More]

Tracked on October 21, 2005 at 07:28 PM

» 前原代表にガッカリ [青い炎の日記]
首相の靖国参拝は中国韓国も思ったほど騒ぎにならず、中韓以外の諸外国などはほとんど話題にのぼっていないみたいで、日本国内でも、すっかり過去のものといった雰囲気ですね。 そんななか前原民主党と小泉さんの党首討論が行われました。 「靖国参拝」で論戦 小泉首相....... [Read More]

Tracked on October 21, 2005 at 10:37 PM

» 靖国参拝に思うこと。 [HiroのブログVer1.5]
小泉首相が、もはや恒例と言っていい靖国神社参拝を行われました。今年は、秋の例大祭に参拝されたのですが、これについて個人的意見をいくつか。 [Read More]

Tracked on October 22, 2005 at 12:01 AM

» 「靖国問題」のこれから [意味なし日記]
「靖国」カードが消える日 靖国問題について、非常に分かりやすい説明をされているblogがあったのでブックマークとしてトラックバックしてみた。 自分も歴史問題についてこれ以上謝罪を続けても意味がないと考えていた。これまでも何度も公式に謝罪してきたのに全く評価されず、ちょっと口が軽い政治家がポロッと発言したらそのたびに鬼の首を取ったかのように攻め立てられ、今までの謝罪が全てなかったことにされる。政府の公式見解と単なる一政治家の発言とどちらが重いのか。それを煽る日本のメディアも問題だ。 大体... [Read More]

Tracked on October 22, 2005 at 01:25 AM

» 靖国 [真・コラムス]
「靖国」カードが消える日http://workhorse.cocolog-nifty.com/blog/2005/10/post_7e0b.html馬車馬氏のThe Economist先週号のまとめ.非常にわかりやすいテキストです.これくらいスマートな文章が書けるようになりたいものです. [Read More]

Tracked on October 22, 2005 at 08:53 AM

» 靖国問題についていまさら語る [そんなものにはなれないと、成績表が教えてくれた]
いまさらだけど靖国問題について考えてみる。 そもそも総理が靖国神社に参拝するのは憲法違反なのだろうか?賛成派は合憲と、反対派は違憲だといいきっている。俺は法律知識がないからこうだ!!!といいきれないけど違憲だとするならそれは憲法のほうが間違っていると思うのでその一文は削除すべきだと思う。 俺は首相の靖国参拝賛成派だ。正確にいうと"いいじゃんべつに派"だ。国のために死んでくれた兵隊さんが幽霊として存在しているとして今の日本人に参拝してほしいかなと思っているかは微妙だが彼らを尊敬し「いい国を... [Read More]

Tracked on October 23, 2005 at 10:40 AM

» [blog]靖国参拝の話 [くろんの風]
 数日前に小泉首相が靖国神社に参拝しましたね。予想通りあちこちでいろいろな話題で盛り上がっているので、気になったものをリンクしておきます。基本的には自分用のメモです。  まずは自分の立ち位置みたいなものをはっきりさせておいた方がいいですかね。僕は参拝にはやんわりと賛成です。心情的にはごたごたするのがわかっているので、わざわざ靖国神社に参拝なんてしなくていいのならばしない方がいいと思っているのですが、政治問題として考えるのならば小泉首相の立場としてはしないわけには行かないのかな、と。そんな感じで... [Read More]

Tracked on October 23, 2005 at 11:03 AM

» 小泉さん、革命狙い中 [My Little Empire]
■ 「靖国」カードが消える日(マーケットの馬車馬) ■ 靖国批判「理解に苦しむ」 小泉首相、米紙会見で(goo) 「これ以上騒いでもいいこと無いよ。」とアピールしてると言うわけか。 外交手段として上策じゃないにしても、みんなが言うほどの下策ではないのね。 ...... [Read More]

Tracked on October 25, 2005 at 04:44 PM

» 小泉首相が中国の教育に疑問 [静止状態における思考記録]
Yahooニュースの毎日新聞の記事から(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051025-00000038-mai-pol)。 米保守系コラムニストのロバート・ノバク氏は24日付の米紙ワシントン・ポストで、小泉純一郎首相が同氏のインタビューに対し、靖国神社参拝に反発している中国の対..... [Read More]

Tracked on October 26, 2005 at 01:06 AM

» [Kulturkampf][URL] 「靖国カード」 [gachapinfanのスクラップブック]
  マーケットの馬車馬 - 「靖国」カードが消える日 http://workhorse.cocolog-nifty.com/blog/2005/10/post_7e0b.html ふるもと伸一郎 - 永田町だより - 外交の道具 http://www.s-furumoto.net/diary/details.php?diary_id=127 svnseeds’ ghoti! - 小泉首相の靖国参拝について - コメント欄 http://d.hatena.ne.jp/svnseeds/2005101... [Read More]

Tracked on October 26, 2005 at 03:50 PM

» 中共と、売国奴たち [手前ら、日本人をなめんじゃあねぇ]
小泉総理の靖国参拝に対しての中・韓による非難に対して、媚中のニュ−ヨ−クタイムスの小泉非難という足論者劇もあったが、結局は両国ともこれ以上の非難行動は、自国の経済に対しての影響が大きいとして尻すぼみとなったようだ。 わが国の戦後外交は、まぁ、戦前の無能外務省と軍部の情報線形氏による敗戦の延長のままであった。 マルキストという共産主義者や朝日、毎日という、戦中の軍部励賛の姿勢から、敗戦後は180度その主張を変えた、まぁ、報道人としての姿勢とともに、その会社の方針をただ黙って受け入れた、記者たちの日和見... [Read More]

Tracked on October 29, 2005 at 03:03 PM

» 朝日社説:『靖国カードは死んでない!』:10/29 [脳内会議中は死んだ]
 俺の期待を裏切らない朝日新聞が大好きです。 靖国と隣国 静かさを甘く見るな  韓国の潘基文外相が来日し、町村外相と会談した。きょう小泉首相とも会う。首相が靖国神社を参拝した後、「雰囲気が適切でない」と先送りする方針だったが、一転、訪日となった。  外相....... [Read More]

Tracked on October 31, 2005 at 01:49 PM

» 今後の日中外交について(すげぇタイトルw) [Asiajazeera]
日本の外務省高官 記者会見、質問靖国問題に集中(毎日) 「右派の麻生太郎氏を外相に登用した小泉純一郎首相の狙いは何か」と、韓国メディアが最後の質問をし、会見は厳しい雰囲気のまま終わった そうだな。狙いはなんだろう。コイズミ氏、「タカ派vsタカ派の方がうまくいくん..... [Read More]

Tracked on November 16, 2005 at 03:50 PM

» 小泉首相の靖国参拝の正当性 [日本人の魂の蘇生のために]
本日、小泉首相は靖国神社へ参拝されたが、国民の多くがいつしか自国の精神文化を知らなくなってしまったために、そのことを批判する世論がある。神社のご祭神というのは、必ずしも西洋的なGodを祀っているのではない。時には悪霊などのネガティブな存在をすら、その怨...... [Read More]

Tracked on November 28, 2005 at 09:44 PM

» ついに「靖国」カード賞味期限切れ [聞いた、見た、読んだ。]
小泉首相がとうとう「靖国」カードの賞味期限切れをはっきりと宣言しました。 中国はまだ「靖国」カードの賞味期限切れを認めていないようですが、韓国は「靖国」カードから目先を変えて麻生外務大臣をターゲットにした様子。... [Read More]

Tracked on December 01, 2005 at 06:56 PM

» SNRが斬る今年の重大ニュース! 反日デモ:「爾後北京政府ヲ対手トセズ」なのか? [after 911]
戦後60年の節目を迎えた2005年。 日本のアジア外交の行き詰まりが、あちらこちらで指摘されましたね。 なかでも驚かされたのが、中国各地で行われた反日デモ。 小泉総理の靖国参拝がアジア諸国の反発を招いていることは知っていましたが、 さすがにあのデモの映像を見たとき..... [Read More]

Tracked on December 21, 2005 at 10:01 PM

» 靖国問題をゲーム理論で解く [Koukyo政策大学院生の蹇蹇録]
靖国問題についてゲーム理論の観点から論じてみるというのは思考訓練として面白いのではないかと思います。 [Read More]

Tracked on August 18, 2006 at 07:05 PM

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