久喜市立鷲宮小(稲葉勇夫校長)の英語担当の男性教諭(51)が、6年の女子児童に服を引っ張られたことに腹を立て、「2万円もするぞ。払えるのか」と声を荒らげ、弁償を苦にした児童が不登校の末、転校していたことが分かった。
同小などによると、5月12日、近隣小学校同士が参加したサッカー大会の際、応援していた児童数人がふざけて教諭の後ろから服を引っ張ったという。教諭は女子児童1人をしかりつけ、「絶対許せない」「高額だ。返せるのか」と発言したという。
児童はその夜、過呼吸を起こし、PTSD(心的外傷後ストレス障害)と診断されたという。
教諭は、保護者からの苦情を受けた学校の調べに対し、発言内容を認めた上で「児童の態度が許せなかった。きちっと指導をしないといけないと思った」と話したという。実際に、服が破損したかは分からないという。
教諭は数日後、学校内で保護者に対し、「いきすぎがあった」と謝罪した。女子児童は断続的に不登校が続き、10月に同市内の小学校に転校した。
教諭は4月、来年度からの小学校英語授業の先行実施として、地元中学から2年の期限で、同小に異動してきた。5、6年生を対象に週に1度、英語を教えていたが、女子児童とのやり取りがあった後、6年生の授業を外れている。サッカーを指導することもあったという。
稲葉校長は「指導のつもりだったとはいえ、ふさわしい発言ではない。2万円の弁償を求められたと児童が悩むのも分かる。本人にも反省させ、6年の授業から外すなど、学校としても対応しているつもりだ」と話している。【西村隆】
毎日新聞 2010年12月18日 地方版