【ワシントン小松健一】北朝鮮が国際原子力機関(IAEA)の監視要員受け入れなどに同意したと伝えられたことについて、クローリー米国務次官補(広報担当)は20日、「北朝鮮はいつも大きなことを言う。これまで長年にわたって(北朝鮮の)ほごにされた約束を数多く見てきた」と述べ、今の段階では懐疑的に受け止めていることを明らかにした。
その上でクローリー次官補は、核問題を巡る6カ国協議の合意など国際的責務を北朝鮮が果たすかどうか注視していると指摘した。
また、韓国軍の延坪島(ヨンピョンド)での射撃訓練に対し北朝鮮が報復をしなかったことについて同次官補は、「挑発行為をとる根拠はなかった」として、評価するに値しないとの考えを示した。
北朝鮮は訪朝中のリチャードソン・ニューメキシコ州知事に対して、監視要員受け入れの他、未使用核燃料棒の国外搬出に関する交渉などに応じる意向を示したという。米政府はリチャードソン知事の帰国後、直接報告を受ける方針だ。
毎日新聞 2010年12月21日 東京夕刊