2010年12月21日13時31分
【ワシントン=望月洋嗣】内部告発サイト「ウィキリークス」が公開した米外交公電の中に、台湾の国連加盟をめぐる福田康夫元首相の初訪中時(2007年)の発言について、在北京の日本大使館が「驚いた」などとする記述があることが、20日分かった。台湾が推進していた国連加盟の是非を問う住民投票について、福田氏は北京での共同会見で不支持を表明した。
この公電は、08年1月30日付で在北京米大使館発。同月25日に開かれた日米英独仏5カ国の在北京大使による定期会合についての報告で、07年12月の福田氏の訪中に関する宮本雄二・駐中国大使の説明を記している。
公電によると、福田氏は訪中前、台湾の国連加盟問題をめぐる態度表明を中国から要請されていたが、応じようとしなかった。だが、温家宝首相との共同会見で、国連加盟申請の賛否を問う台湾の住民投票について「一方的な現状変更につながっていくのなら、支持できない」と突然表明した。このため、「福田氏が自発的な発言をしたことに、日本大使館も驚いた」という。