「北はうまいことばかり言う」　米次官補、監視要員復帰問題で行動を要求

　【ワシントン＝犬塚陽介】クローリー米国務次官補（広報担当）は２０日の定例記者会見で、北朝鮮が寧辺の核施設への国際原子力機関（ＩＡＥＡ）監視要員復帰に前向きな姿勢を示したことについて、「何年もの間、多くの約束が破られるのを見てきた」と述べ、言葉よりも実際の行動で非核化を具体化するよう北朝鮮に求めた。

　クローリー次官補は「北朝鮮はうまいことばかり言う。いつもそうだ」として、現時点での監視要員の復帰には懐疑的な見方を示した上で、本当に復帰に同意する意志があるなら「北朝鮮はＩＡＥＡに伝達する必要がある」と語った。

　６カ国協議再開には「反対しているわけではない」とする一方で、再開の前提として北朝鮮には「積極的な行動を起こす責任がある」と強調。北朝鮮を核兵器保有国として認める考えはないことも改めて示した。

　北朝鮮が韓国の海上射撃訓練に対する軍事的対応を見送ったことについては、「韓国軍には自国内で訓練する権利があり、訓練は北朝鮮への脅威ではない」と述べ、北朝鮮は「国家として取るべき当然の行動」を取ったに過ぎないとの認識を示した。