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【日々是世界 国際情勢分析】自衛隊に拒否感を持つ韓国

2010.12.21 07:49
このニュースのトピックス自衛隊

 3月の韓国哨戒艦撃沈事件に続き、11月には韓国・延坪(ヨンピョン)島砲撃と今年は北朝鮮による韓国への軍事挑発が相次いだ。朝鮮半島情勢が緊迫化し、米韓の軍事協力がより強まる中、米国は日本の自衛隊も加えた3カ国による合同軍事演習をしきりに提唱している。しかし、日本に統治された過去を持ち、竹島(韓国名・独島)の領有権を日本と争っている韓国の自衛隊に対する拒否感は強く、日本との合同演習に世論は消極的だ。

 例外的な動きもある。米韓両国が7月下旬に日本海で実施した合同軍事演習で、海上自衛官がオブザーバーとして初参加した。哨戒艦撃沈事件を受け、日米韓3国の結束を北朝鮮にアピールするため、米軍の肝いりで実現したものだった。

 それまで米韓合同軍事演習に自衛隊が参加しなかったのは、軍事情報が自衛隊側にもれてしまうことに韓国軍が難色を示してきたからでもある。

 竹島問題の影響も大きく、2008年7月に日本の中学の新学習指導要領解説書に竹島の領土問題が初めて盛り込まれたことに、韓国は強く反発した。韓国紙、朝鮮日報は当時、「独島で韓・日全面戦争が勃発(ぼっぱつ)したら?」と題し、両国の軍事力を比較。日本を「仮想敵」にして対日警戒心をあおっていた。

 12月上旬に日韓両国を訪問したマレン米統合参謀本部議長は「日韓は過去にとらわれず、前進すべきだ」「(米韓合同軍事)演習に周辺国や同盟国、特に日本が参加することを望む」と述べたが、韓国紙、中央日報は14日付の社説で「日本はこれを自衛隊の役割を強化する機会として利用している」とし、日本の参加に強い懸念を示した。

 このほか、朝鮮半島有事の際に約2万8千人とされる韓国在留邦人と北朝鮮内にいる日本人拉致被害者をどう救出させるかという問題も浮上してきた。

 菅直人首相が11日、自衛隊機による邦人輸送など自衛隊法改正を検討していると発言したことに、12日の韓国紙、ハンギョレ(電子版)は「不適切で軽率」と早速、非難を浴びせた。「自衛隊の派遣が朝鮮半島に対する日本の軍事介入へ拡大することがありうる」とし、韓国民の感情に配慮していないと反発した。防衛・軍事面で日本と韓国が超えなければならない心理的ハードルはまだまだ高い。

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