2010年10月27日16時17分
売り場でマイバッグを使う買い物客。たたまず、手やカートのフックにかける客が多い=堺市のスーパー
NPO法人「全国万引犯罪防止機構」(東京)が今年3月、全国のスーパーやコンビニエンスストア計319社にアンケートしたところ、「マイバッグ万引きが増えてきている」と答えたのは、全体の約37%に当たる117社。同機構の福井昂(こう)事務局長は「マイバッグの奨励をやめるわけにもいかず、小売店はジレンマに陥っている」と話した。
いままでは、レジ袋を持っている客は、代金を払った客とみてよかった。しかし、レジ袋がなくなった店では、代金を払ったかどうか、一目では分からなくなった。
このため、自衛手段として、代金を払った客が分かるように、レジの前と後でかごの色を変えた店もある。近畿南部などでスーパー148店を展開する「オークワ」(和歌山市)は今年1月から、レジ前はオレンジ色、後は水色にした。「監視しやすくなった、と警備員らには好評だが、売り場にバッグを持ち込める以上、抑止効果は限定的だ」と担当者は言う。
マイバッグの持ち込みを禁止したスーパーもある。札幌市西区の中小スーパー「マンボウ」は昨年3月から、「マイバッグは必要ありません」とのポスターをつくり、レジ袋を無料配布している。禁止後も万引き件数は大きく変わらないが、店長は「環境保護の大切さは分かる。でも、現時点では万引きのマイナスの方が断然大きい」と語った。(青田貴光)