射撃訓練:延坪島海上で1時間34分間にわたり実施

およそ1600発を発射

 北朝鮮による脅迫や中国・ロシアからの外交的圧迫にもかかわらず、韓国軍は20日午後、1時間34分にわたり、延坪島周辺で海上射撃訓練を実施した。懸念された南北間の軍事的衝突はなかった。しかし韓国軍当局は、北朝鮮が多連装ロケット砲を延坪島付近など西海(黄海)沿岸の一部地域に前進配備し、海岸砲の砲門を開くなど、挑発の兆しを見せ続けていることから、さらなる挑発の可能性を注視し、直ちに対応できる態勢を当分の間維持することとした。

 合同参謀本部(合参)は20日、「延坪島周辺での海上射撃訓練は、本日午後2時30分ごろから始まり、バルカン砲による射撃を最後に、午後4時4分ごろ完全に終了した」と発表した。海兵隊延坪部隊はこの日、K9自走砲4発をはじめ、バルカン砲1500発など合わせて約1600発を撃ったという。韓国軍消息筋は、「午後になっても海霧が完全には晴れず、困難を伴ったが、さらに射撃を延期した場合、幾つもの副作用が懸念されるため、訓練を実施した」と語った。

 韓国軍当局は、イージス艦「世宗大王」(排水量7600トン級)をはじめ、韓国型駆逐艦(KDX2、4500トン級)2隻など、約10隻の艦艇を延坪島以南の海上に前進配備する一方、F15KやKF16戦闘機も非常出撃態勢を維持した。延坪島に投入された在韓米軍の兵力は、北朝鮮軍の動静監視と追加挑発の可能性に備え、当分の間残留するという。

 韓民求(ハン・ミング)合参議長は射撃訓練終了後、各作戦司令官や合参関係者などに対し、「北朝鮮はいつでも挑発し得る。今の軍事対備態勢と能力を基に、いつ、どこで敵が挑発してもこれに対応することができるよう、各作戦司令部は偶発計画の実施態勢を確認し、点検せよ」と指示した。

韓国軍は20日午後、延坪島海上射撃訓練を実施すると共に、全軍に非常待機令を下した。清州国際空港内の韓国空軍第17戦闘飛行団の周辺でも、警戒勤務が強化された。/写真=シン・ヒョンジョン記者

ユ・ヨンウォン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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