射撃訓練:与野党の反応(上)

 韓国軍が20日実施した延坪島での海上砲撃訓練をめぐり、政界では前日に続き激しい攻防があった。ハンナラ党と自由先進党は「砲撃訓練は国家安保のため当然の措置」と述べたが、民主党・民主労働党・進歩新党などは「砲撃訓練の強行は全面戦争への口火」とし、戦争が起きる可能性にまで言及した。しかし、同日の延坪島砲撃訓練に関し、与野党は国会国防委員会や外交通商統一委員会などを21日に開き、政府の対策について報告を受けることを決めるなど、砲撃訓練は予算案通過後に閉ざされていた与野党間対話のきっかけになっている。

ハンナラ党

 ハンナラ党はこの日、指導部が総出で「韓国領土内での砲撃訓練は数十年間にわたり毎月行ってきた主権行為」との見解を明らかにした。ペ・ウンヒ報道担当は砲撃訓練直後の論評で「今回の訓練は韓国を守るための当然の措置だった。政府はいかなる脅しにも屈せず、行うべきことを堂々と行わなければならない」と述べた。安商守(アン・サンス)代表は最高委員会議で「野蛮な挑発で民間人を殺傷し、韓国領土に侵攻した北朝鮮が、謝罪するどころか通常の訓練を口実に第2の挑発を公言するとは、絶対に座視できない」と語った。金武星(キム・ムソン)院内代表は「民主党は訓練を中止せよと言っているが、一体どこの国の政党なのだろうか。野党が政権を執っていた10年間、(北朝鮮に)貢いだ結果が、核兵器としてはね返ってきている状況なのに、今も正気に戻っていない。北朝鮮の狙いは北方限界線(NLL)を無能力化させ、隣近水域を北朝鮮領海だと主張すること」と言った。

自由先進党

 李会昌(イ・フェチャン)先進党代表は同日の党会議で「民主党などは韓国軍の訓練再開に反対しているが、これは卑劣な敗北主義」と語った。そして、「北朝鮮は、まさしくそうした『戦争恐怖症』を狙い脅してきているのに、民主党の孫鶴圭(ソン・ハッキュ)代表はこれにはめられてしまっている。このような敗北主義は武力挑発を避けるのではなく、かえって誘発するものだ。砲撃訓練の中止要求は、平和でなく戦争をまねく可能性がある。政治指導者なら惰弱な敗北主義に陥ってはならない」と批判した。さらに、「戦争誘発を阻止する道は簡単だ。もし、韓国軍の砲撃訓練に北朝鮮が攻撃を加えてきたら、直ちに海岸砲の砲台やロケット砲基地といった北朝鮮側の攻撃拠点に打撃を与え、焦土化させることだ」とも言った。朴宣映(パク・ソンヨン)報道担当は論評で「政府が砲撃訓練を支障なくきちんと実施することは、韓国がNLLを守る大きな力になるだろう」と述べた。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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