2010年12月21日6時54分
【南京(中国江蘇省)=奥寺淳】丹羽宇一郎・駐中国大使が20日、南京を初めて訪問した。南京は旧日本軍による虐殺事件により一部に根強い反日感情が残る。丹羽大使は到着後、「過去に責任を感じ痛切な反省をしたうえで、未来志向の精神で両国関係を強化していきたい」と語った。
7月に着任した丹羽大使は、日中国交正常化以降、初の民間出身の駐中国大使。日中関係について習近平(シー・チンピン)国家副主席と会談した際の言葉を披露し、「両国は住所変更も出来ないし、夫婦以上に別れることも出来ない」と表現。「仲良くしていくしか選択肢はない」との考えを示した。
丹羽大使は同日夜、江蘇省トップの羅志軍・同省共産党委書記とも会談。視察は22日までで、市民との交流や地元高校への訪問、シャープなどの工場見学も予定している。南京の大虐殺記念館は大使就任前に訪れたことがあり、今回は訪問しないという。