射撃訓練:延坪島の様子とは(上)

 「シューン、シューン」

 20日午後2時30分。西海(黄海)に浮かぶ延坪島では、韓国軍による砲撃訓練が始まった。広さ50平方メートルの待避所の中で息を殺しながら身を隠していた15人の住民は、耳を立てて砲声を聞いていた。延坪面西部里の延坪教会横にある待避所は、延坪島の民間人居住地域にある13の待避所のうち一つだ。分厚いコンクリートの壁と鉄の門で閉ざされているが、K9自走砲の砲撃音と振動は、そのまま体感できた。布団でひざを多い、丸くなって座っていた住民たちは、不安そうな表情で外から聞こえる砲声に耳を傾けながら、「この音は韓国軍の砲撃か」などと語り合った。

 午後3時30分になると、今度はバルカン砲の砲声が聞こえてきた。すると、待避所の中は再び落ち着かない雰囲気になった。住民たちは不安な表情で、延坪部隊から派遣された待避所統制官を一斉に見上げた。「これはわが軍の砲撃音だ」という説明に、誰もがほっとした。電波が遮断されていたため、待避所の中では携帯電話を使うことができなかった。外の情報を知ることができるのは、住民の一人が持ち込んだラジオだけだ。午後4時が過ぎると、ラジオを通じて訓練が終わったことを知ることができたが、誰もすぐには待避所から出ようとはしなかった。トイレに立とうとした住民は足が震えていた。延坪部隊の兵士が待避所のドアを開ける際、鉄門の音が聞こえると、誰もがきょろきょろしながら周囲を見回した。しばらくして合同参謀本部のチュ・グァンホ中領(中佐に相当)が待避所を訪れ、「訓練は無事に終わった。北朝鮮の挑発があるかもしれないため、6時半までこのまま待避所にいるように」と語った。

 午後6時30分に待避令が解除されるまでの10時間30分、住民たちは一瞬も気を休めることができなかった。ある住民は、「今晩は安心して寝られるだろうか」と話しながら、北の空を見上げた。

防毒マスクをかぶった延坪島住民たち。韓国軍による延坪島海上射撃訓練が行われる直前の20日朝、延坪島で待避令が下され、ある住民が防毒マスクをかぶって北朝鮮の再挑発に備えている。/写真=オ・ジョンチャン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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