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銀輪の死角:京都御苑、「お堀」に転落防止対策 覆いや柵設置へ協議

バス待ちの客を避け、お堀の縁を通行する自転車=京都市上京区で
バス待ちの客を避け、お堀の縁を通行する自転車=京都市上京区で

 京都市が、明治天皇ゆかりの京都御苑(上京区)外周約4キロの溝の一部について、木の板で覆ったり柵を設けたりする自転車転落防止対策を検討している。この溝は京都御所や京都迎賓館を含む御苑を囲み、塀や石垣と一体。深さ、幅とも50センチもあることから「お堀」とも呼ばれ親しまれている。市は景観に配慮しながら、御苑を管理する環境省のほか宮内庁や皇宮警察と詰めの協議を進める。

 御苑は、東京に移った明治天皇が1877年に京都を訪れた際、周辺の荒れ果てた様子を悲しんだことをきっかけに府が保存事業を開始。天皇や財界からも寄付が集まり、83年までに整備され、ほぼ現在の形になった。

 溝の大部分は自転車も通行可能な歩道に接するが、北側や西側では歩道の幅が最小で約90センチしかない。バス停付近では乗客らが滞留する。自転車の利用者から「人とすれ違う際に転落した」、通行人らからは「自転車とぶつかりそうになった」といった苦情が寄せられていた。市は昨年から、御苑北西角の烏丸今出川バス停周辺で、溝の上を覆い、柵を設けることを環境省京都御苑管理事務所と協議。御所や迎賓館には皇族や要人が訪れるため、覆いは不審物が隠せないよう取り外し可能にする。景観保全のため、柵は間伐材を用いる。

 担当の京都市建設局は来年度当初予算案として350万円を要求。認められれば2月市議会に提案する。【田辺佑介】

毎日新聞 2010年12月20日 大阪夕刊

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