サル団子のジレンマ
冬の寒い夜にヤマアラシ夫婦が、お互いを暖めようと体を寄せ合う。しかし、近づけば近づくほど相手を自身の針で傷つけてしまう、という寓話をヤマアラシのジレンマという。
日本では、寒さを凌いでサルが寄せ集まっているのを「サル団子」と言うそうだ。民主党のサル団子は差し詰め、ジレンマの固まりである。「こいつらとは絶対一緒にいたくない」と思っても、身を寄せ合うしかない。でも、近づくほどに嫌気がさし、傷つけ合う。
茨城県議選後の民主党は、敗戦の総括よりも小沢氏の政倫審招致に軸足が移った。小沢氏は頑強に出席を拒み続けるが、執行部側の作戦勝ち。やはり、刑事被告人となる側のカードは弱い。菅総理は「脱小沢」で人気回復という3匹目のドジョウを狙う。
しかし、民主党内ハルマゲドンは、遅かれ早かれ再び激しくなるだろう。小沢一郎という政党自爆装置のスイッチがオンになっている以上、行くところまで行く。
ゲゲゲの妖怪劇場
国民のウンザリ感は溜まる一方だ。またしても政治不信が高進している。こういう八方塞がり状態になると、蠢き始める人達が出てくる。連立組み換え、大連立、新党設立、政界再編。
自民党の森喜朗氏のような人達が持ち出すのが、ホコリまみれの「挙国一致内閣」。こういう時には必ず出てくるお化けだ。
別れた女房じゃあるまいし、福島社民党代表とヨリを戻そうとして振り回されている姿には恐れ入る。普天間移設で鳩山内閣が崩壊した教訓をもう忘れたのか。
鳩山兄弟新党構想というのもあるそうな。またしても御母堂様からの子供手当てが設立資金か。党首には舛添氏を担ごうとか、小沢氏もまんざらでないとか、アホらしい。
その舛添さんは、菅総理とも会って、改造内閣では官房長官説も流されている。新党でも、ジリ貧内閣でも、都知事選でも、何でもいいというのは無定見そのもの。つくづく、こういう人と組まなくてよかったと思う。
こうしたゲゲゲの妖怪劇場に出てくる人達の共通項は、「先がない」ということ。先がないから、出たとこ勝負に賭けるしかない。展望も開けず、戦略ももたず、振り回される人達もいい迷惑だ。
政権選択のやり直しを早くやれ
みんなの党は、国会が妖怪だらけになっている時は、原点に戻って国会の垣根を飛び越えて草の根国民運動を地道に展開する。私が自民党を離党してやったことをやればいい。北海道から沖縄まで全国行脚を行い、みんなの党のアジェンダにふさわしい覚悟の人間を結集していく。来年の統一地方選は、組織のないみんなの党にとって草の根のネットワーク型組織を作っていく絶好のチャンスだ。
そして、政治の閉塞状態を打破するには解散総選挙が一番だ。菅氏は絶対やらないだろうが、総辞職をしないのなら解散という状況に追い込んでいくしかない。来年1月の冒頭解散がベスト。次善が3月、4月は統一選とのダブルだ。