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<< 研究者の義務 | main | from ソウル大学 ゲストハウス >>
現在、国立大学薬学部で研究室を運営中。精神・神経薬理を専門としています。薬学部が6年制となり、新たなカリキュラムの実施を担当しています。薬学部で、教育と研究の両立は可能と信じて毎日を過ごしています。大学で繰り広げられていることを一般の方にお知らせしたり、神経・精神の研究や薬剤師に興味のある方に情報提供したいです。
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研究室に配属された学部生の方へ つらい時、しんどい時、読んでください
 研究室に配属されて、何もかもが未知との遭遇です。
研究室に入った学生が気をつけること・・・・たとえば、at the bench という本もあるので、読んでみてください。原本と日本語訳バーションが私の部屋にもありますので、リアルで私のことを分かっている人は借りにきてください。


でも、まず、学部生が陥るつらいこと・・・後で、思うと、なぜ、あんなことにクヨクヨしていたのかと、皆思うのですが、これが乗りきれずに大学院を断念したり、朝起きるとお腹が痛くなったりして、学校に来れなくなったりします。私も、大学4年生のとき腰が痛くなり、立ち上がれなくなりました。


1.一緒に配属された同級生たちと馴染めない

たとえば、一緒に配属された人たちが、めっちゃ飲み会好き、とか、ふまじめとか、単位落としそうで勉強ばかりで実験しない、自分は研究室にいっぱい行って色々覚えたいのに、それを非難される・・・

こんなときは、同級生と合わす必要はないです。人間として協調することは大切だけど、誰も自分の研究データーをくれるわけでないし、ましてや就職の面倒や学位の心配をしてくれません。


2.直接指導してくれる先輩が信用できない、自分は遊んでいるのに、こき使われる。

私はテクニック的なこと以外は大学院生に直接学生の指導はさせません。もちろん、教えて、はじめて自分の未熟さが分かることもあると思います。しかし、私の今までの経験から、大学院生が変な誤解をして、後輩を奴隷のように使う、ひどい時は、昼ごはんのお弁当の買い出しに行かしたりします。私は自分の研究室では、このようには絶対しません。私自身も含めて、自然界の事実に向き合うという対等な立場と思っています。まず、教授や教員に、困っていることを訴えるべきです。xそれでも、改善されなければ、こんな研究室を選んだ自分をせめて、早く脱出することを考えるべきと思います。


3.先生のいっていることが信用できない

あなたが研究室に入って1年未満なら、とにかく、鰯の頭も信心から・・・で、1年は信じてみましょう。
1年たっても信じることができなければ、脱出を試みましょう。学部で失敗しても、修士で他の研究室に行けばすむことと、思います。今、私の周囲で、研究を続けている人の多くは、学部で所属したのとは異なる研究室で大学院に進んでいます。


4.先生のいっていることは、もっとも。先輩もきちんとテクニックを教えてくれる。でも、遅くまで実験をさせられて、他のことが何もできない。

実験するのもタダではなく、先生からしてみれば、失敗の多い学部生に実験をさせるのは、ある意味、ドブに研究費を捨てるようなもの、と、いう思いがあります。それを耐えて、花さかしてくれるのを期待しているわけです。夜遅くまで、あなたが実験していたとしても、それは、実験が上手な人なら、2,3時間でできることが大部分です。自分が、まだまだと思い、がんばる。それから、昼ごはんを、おにぎりをコンビニで買ってくるとか、お茶や雑談する時間を短くすると、がんばれば、2時間は早く帰れます。遅くなるのは、何かか下手だと思います。


5.同級生や先輩、ひどい時だと後輩より、データがでない

研究室ではいくつものプロジェクトが走っていることが普通です。中には、うまくいくかどうか分からない萌芽的なもの、今まで積み重ねてきたものが花開く時期のもの、色々です。たまたま後者にあたった人はデータが出るし、前者をテーマとして割り当てられたときは、つらい日々となります。
でも、指導者の立場からすると、そんなことは分かって割り振っています。データが出なくとも、くさらず、こつこつ、自分で考えてやっていける人には、次に、”これは勝負だ”と、思っているプロジェクトを割り振ります。

6.ゼミで先輩や先生の話していることが宇宙語で全く分からない。これなら出ないほうが時間の節約だわ・・・

毎年、こう言いだす学生が一人はいます。まず、先生たちが口にしている言葉を、メモしてみます。そうすると、毎回でてくる単語があります。そしたら、その単語の意味を質問してみます。その単語は先生や先輩たちも苦労した記憶がある単語なので、懇切丁寧に説明してくれます。そうして、理解できる言葉を増やしていきます。ゼミの後、発表者の人に質問しても喜んでくれます。門前の小僧・・・で、半年もすると、すごく分かるようになります。一応、今、辞書さえあれば理解できる英語だって、最初は、ちんぷんかんぷんだったのを思いだせば分かります。


7. ゼミで発表する論文を読むのに時間がかかり、毎晩徹夜でつらい

白状すると、私自身も、今でも論文の査読する時は、徹夜近くが2回かかっています。それでも、2日の徹夜くらいですむようになったのは、この数年です。

論文紹介の準備も大学院5年終わって、助手になって、助教授になって・・・それくらいまでは、直前の土日は40時間くらい文献と格闘し、1週間は帰宅後も文献にむかっていました。プロである教員でも、きつい作業です。学部生が辛いのは当たり前です。
だからこそ、私の研究室では、すごい頻度で学部生にゼミをさせます。1年間がんばった彼らは驚くほど成長して、4年生が終わろうとしている今では、修士2年くらいの力を持っています。あとは、実験をひたすらやればよいという状況にすることができています。
ゼミに同席する私たちも、真剣勝負ですから、そんな研究室を選んだ自分がラッキーと思ったほうがよいでしょう。

8.指導してくれる先生とあわない
まずは、研究室主宰の先生に訴えてみましょう。それでも指導者を変えてくれなかったら、脱出をこころみましょう。そういう前に、研究室は社会ですから、いろんな性格の人がいることを勉強していると思えば、随分、楽になります。


研究室では、分からないことは、先生に尋ねて、自分で判断しないこと、そしたら、何も、つらいことはなく、すごく面白いところだと思います。それとね、先生たちは、成果を出すことが死活問題になっているので、あなたたちが学生実習の延長気分でいると、それは、口もききたくなくなるわけです。


昨日の教授会忘年会の会場ロビーでのクリスマスデコレーションです。

| 大学教員の仕事 | 2010.12.18 Saturday | comments(2) | trackbacks(0) |
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