射撃訓練:中ロの反応と安保理の状況は?(下)

ロシア「射撃訓練は終わったが、楽観はできない」

 ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は20日、「南北関係を取り巻く情勢が非常に過熱しているが、国連安全保障理事会がこれに関する声明を発表できなかったことは遺憾だ」と述べた。リアノーボスチ通信によると、ラブロフ外相は延坪島での韓国の射撃訓練について、「訓練は終わったが、それ以外の情報はない。現状では楽観主義を取ることはできない」と述べた。同外相はまた、「国連安保理が声明を採択できずに終了したのは遺憾だが、議論の過程で出されたシグナルは、十分に明らかなものだった。そのシグナルとは、不安な状況を招くいかなる挑発的行為も、自制する必要があるというものだ」と強調した。

 また、インターファクス通信は20日、ロシア外務省の関係者の話を引用し、「韓国軍が行った西海(黄海)上での射撃訓練は、韓半島情勢の安定化を阻害するものだ」と報じた。同関係者はまた、「韓国の訓練は、南北間の境界線が国際的にも条約でも認められていない紛争海域で行われたため、韓半島情勢の安定化にはなおさら合致しない」と述べたという。

安保理の北朝鮮非難声明、中国の反対で合意できず

 国連安全保障理事会は19日に緊急会合を開き、北朝鮮非難と南北の平和的努力を促す内容を盛り込んだ声明の採択に向けて、8時間30分にわたる長時間の協議を行ったが、中国が強い難色を示したため、合意に至らなかった。理事国は20日(現地時間)に開かれる安保理の会合で、本国の指示を踏まえて再度話し合いに臨む予定だが、中国とほかの国家間の溝は大きく、劇的に合意に至る可能性は低いとみられる。国連安保理で議長を務める米国のライス国連大使は、同日の会議終了後に記者団に対し、「溝は埋められそうにない」と述べた。

 延坪島での韓国の軍事訓練を前に、ロシアが緊急招集したこの日の会合は、情勢悪化の原因をつくった北朝鮮の挑発行為に対する非難が焦点となった。大多数の理事国は、北朝鮮の挑発行為を明確に非難すべきと主張し、特に米国・英国・フランス・日本・オーストラリア・ボスニアなどは、北朝鮮を名指しで非難できないのであれば、声明を採択しない方がよいとの立場を示した。ライス大使は、「理事国の大多数は、あいまいな声明は生産的ではないと信じている。米国は、安保理が北朝鮮の理由なき侵略行為に対し、団結して明確に非難するのが重要だと考えている」と述べた。

ニューヨーク=朴宗世(パク・ジョンセ)特派員

北京=崔有植(チェ・ユシク)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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