2010年10月22日 20時40分 更新:10月22日 21時36分
朝日新聞社は22日、今月19日付朝刊文化面に掲載したマニ教に関する記事が、共同通信社配信の記事に酷似していたとして、共同通信社に謝罪したと発表した。会見した朝日新聞大阪本社の前田史郎・編集局長補佐は「盗用と受け止められても仕方ない」と話し、執筆した記者を処分する方針を明らかにした。23日付紙面で読者におわびするという。
朝日新聞社によると、問題の記事は大阪本社生活文化グループの男性記者(47)が執筆し、「マニ教『宇宙図』確認」の見出しで掲載されたもの。共同通信は9月26日、マニ教の宇宙観を描いたとみられる絵画が国内に存在することを京都大大学院の教授らが確認した、とする内容の記事を配信。加盟社の翌日朝刊の記事を読んだ生活文化グループのデスク(48)が記者に取材を指示し、記者は教授に直接会って話を聞き、記事を執筆した。
19日に共同通信が朝日新聞側に「同一表現や似た表現が多数ある」と指摘し、朝日新聞社が調査した上で、本記部分が酷似している、と判断したという。記者は同グループのデスク経験もあるベテランで「表現が引きずられてしまった。信頼を裏切り申し訳ない」と話しているという。【堀江拓哉、大森顕浩】
渡辺雅隆・朝日新聞大阪本社編集局長の話 独自に取材し、資料や参考文献をもとに記事を書いたが、本文の表現が酷似していることは否定できない。共同通信社及び加盟社、関係者の皆様に深くおわびしたい。
奥野知秀・共同通信社編集局長の話 記事の表現が酷似したことは遺憾。朝日新聞社から説明を受け了解した。