人気アニメ「宇宙戦艦ヤマト」シリーズなどを手掛けた映画プロデューサー西崎義展(本名弘文)さん(75)=東京都港区=が7日午後0時35分ごろ、小笠原諸島の父島の二見港で、停泊中の船「YAMATO」(485トン、9人乗り組み)から海中に転落、通報を受けた小笠原海上保安署の監視取締船が約20分後に救助したが、間もなく死亡した。
同保安署によると、YAMATOは6日夕、二見港に入港し、7日朝から港内で試験航海していた。西崎さんはウエットスーツを着用しており、遊泳しようとした際、船の右舷中央部から転落した。誤って落ちたとみて調べている。
西崎さんは日大芸術学部を中退後、漫画家の故・手塚治虫さんのゼネラルマネジャーなどを経て、1974年に「宇宙戦艦ヤマト」シリーズを製作。77年に劇場版が公開され、大ブームを起こした。97年には社長を務めるアニメ制作・ビデオ販売会社が負債総額約48億円で破産。98年には覚せい剤約50グラム、大麻、ヘロインなどを所持していたとして、覚せい剤取締法違反で逮捕。99年にはマシンガンや短銃、覚せい剤などを所持していたとして、銃刀法違反などで逮捕された。この際、銃器所持の理由を「海賊対策」と供述したという。
また「宇宙戦艦ヤマト」の著作者は「自分」だとして、漫画家の松本零士さんと互いを訴える“骨肉の争い”訴訟になり、2003年に和解が成立。一時は“アニメ界の革命児”とも言われたが、トラブル続きの人生だった。
(2010年11月8日)