
広島県府中町は20日、10月に実施した国勢調査で町の人口は5万445人になるとの集計値を明らかにした。地方自治法が定める市制移行要件の5万人以上をクリアしたことになる。和多利義之町長は「町議会が市制移行でまとまるなら、町としても本格的に進めたい」との姿勢をあらためて示した。
集計値は町議会定例会の一般質問で町側が答えた。和多利町長は答弁で「全国的に国勢調査で人口が5万人以上になれば競って市制にするのが実態。いかに活力と名声を上げるかを考えるべきだ」と市制移行に前向きなスタンスを示した。
一方で和多利町長は「町民や議会の混乱を招かないように進めたい」と、自ら市制移行の旗振り役になる考えがないことを強調。町議会がまとまって市制移行を推進する場合、町民説明会や国、県との協議に乗り出す考えを明らかにした。
町議会は市制移行の是非について7月から調査を始めた。来年3月に予定する定例会で一定の結論を出す方針でいる。
【写真説明】市制移行に前向きな考えを述べる和多利町長(手前)。後方は中村勤議長
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