「デイリー主催・第57回全日本新人王決勝戦」(19日、後楽園ホール)
12階級で行われ、ライト級の土屋修平(24)=角海老宝石=が、三好祐樹(23)=FUKUOKA=を1回終了TKOで破り、東日本に続いてMVPを獲得した。技能賞はミニマム級の原隆二(20)=大橋、敢闘賞はウエルター級の林欽貴(23)=E&Jカシアス=が獲得。東西対抗は、東軍が8勝3敗1分けで勝利し、通算成績は東軍の47勝5敗5分けとなった。
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ライト級は土屋が8戦オールKO勝ちで全日本の頂点に立った。東日本に続いて連続MVPを獲得し、賞レースでも2冠ゴール。全勝トリオのコーチ、関からVバトンを受け、ジムとしてヨネクラ(64年度)、笹崎(67年度)、輪島(90年度)に次ぐ20年ぶり4ジム目の3階級制覇を達成。角海老宝石ジム設立34年目の快挙にも貢献した。
頂上決戦は、相手のアゴを粉砕する圧巻ショーで締めくくった。初回残り40秒、コーナーに押し込まれたところで、誘うようにしてカウンターの左フックを打ち抜いた。「タイミングはバッチリ。いい音がして、何で倒れないのかと思った」と振り返る。
1回終了後、相手陣営が右下顎(がく)部骨折で棄権を申し入れ、TKO勝ちが決まった。43秒KO勝ちした準決勝でも相手のアゴを骨折させており、またも破壊パワーを見せつけた。
高校で空手2段、キックボクシングでも日本ウエルター級4位(通算13戦8勝3KO4敗1分け)のランカーだった。「キックはセンスがなかった」と、ボクシングに転向。昨年4月に名伯楽の田中栄民トレーナーと出会って開花した。
来年は2月にランカーとして新たなスタート台に立つ。「早め早めに、休むことなくいきたい。いい流れに乗って…」と、まずは日本王座にアタック。次の年は世界へのジャンプアップを目指す。
元WBA世界ライト級王者・小堀佑介の“後継者”の期待をかける師匠も「バランスの良さ、体の回転。必要なものが備わっている」と評価。「海外で試合をしたい」という大器が、夢へ羽ばたいた。
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