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寄付による富の再配分の可能性を考える

逍花

提供:月明飛錫

3.寄付による効率的な所得配分の可能性



来年度予算の財源不足や、迫りくる財政破綻の話とは別に、長期的な視点で考えると、私は、国による一元的な所得の再分配から、寄付による再配分へ一部を移行していくのが望ましいのではないかと思う。
理由は2点ある。

(1)過去の富の再配分の失敗

高度成長期までの日本では、国による所得分配はうまくいっていたのだと思う。日本が、国民皆保険などアメリカよりも高い社会保障を実現できたのは、こうしたシステムがあるからだ。

しかしここ20年で見た場合、国による再分配がうまくいっているとは思えない。国による富の再配分として大きなものに、公共工事や各種補助金があるが、これはどれほどの効果をあげているのだろうか?

例えば、ウルグアイ・ラウンドの国内農業への影響を緩和するために、関連対策事業費として6兆100億円が拠出された。それによって、全国に26もの温泉施設が作られ、「はな阿蘇美」という観光施設には14億2千5百万円もの金が使われたという。

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/174/0043/main.html

6兆円の税金を使っても、農業に産業としての競争力がつくなら我慢できるが、温泉施設がどう農業とかかわるのか、私は全く理解できない。

このほかに、公共事業で、飛行機のほとんど飛ばない飛行場がいくつもできている。

こうしたムダな税金の使い方が、いたるところで行われていることを考えると、行政が効率的に国の金を配分できるなどという前提自体が、そもそも間違いではないかと疑わざるを得ない。

税金を払うかわりに、自らの意志でNPOや社会的に有益なサービスを提供する団体あるいは個人に寄付できるようになれば、国としての富をもっと有効に使うことができるのではないだろうか。

加えて納税者は、国を通して税金という形で間接的に負担しているので、世の中に貢献しているという実感がない。資金を利用している側も、資金提供者を直接意識しないので、ムダ使いの実感がわかない。国が税金として預かった資金を配分するよりだけでなく、個人や会社が直接寄付することを社会システムに組み込んだほうが効率的ではないか、と思われる。

(2)文化について国は効率的に判断できない

私は、日本は成熟国となり、これからは文化立国、文化立国としての道を歩んでゆくのではないかと考えている。しかし、文化に対して、どれを支援すべきで、どれを支援するべきではないということを、政治家や官僚がきちんと判断できるのだろうか?

どのマンガが世界で売れそうだとか、どんなゲーム会社が支援に値するとか、どんな観光施設に人が入るかとか、どんなレストランが観光客に喜ばれるといったことを見抜く目利きがいるとは思えない。

数字化して効果を測定しやすい産業への補助でさえ、有効に行えなかったのに、文化に対してそれができるというのは、幻想だ。

むしろ、個人や企業といった民間の資金の出し手と、資金ニーズのあるところを直接結びつけたほうが、うまくいくのではないだろうか。自分の出したお金が何に使われ、どのような効果を生んだかということが明確になれば、寄付する側も社会に貢献していることを意識しやすくなり、高い満足感を得られる。

全てを国に任せるのではなく、素早く意思決定できる個人が、自由に行う寄付を見直してはどうだろうか。
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逍花

「逍花」は、ぶらぶらと散歩して(=逍)、心を動かしてくれる何か(=花)を探そう! という意味です。
蕾から開花になり、やがて散っていく花は、変化するものの象徴でもあります。
はてなダイアリー「月明飛錫」では、日々見つけた花について書いています。

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