射撃訓練:中ロが反対、「韓国に圧力」モードへ(下)

ロシア「訓練中止訴え」異例の公式声明

 ロシアは連日、韓半島の緊張緩和を名目に、南北の自制を促している。

 ロシアのラブロフ外相は18日、「ロシアは韓半島の事態展開を注意深く観察しており、南北にできる限りの冷静な対応と自制を求める」と述べた。また、ラブロフ外相は同日、中国の楊潔チ外相との電話会談で「ロシアは中国と共に韓半島の緊張緩和に努力する」と述べたと中国・新華通信が報じた。

 ロシアは17日にも南北に対し「砲撃訓練の中止」を促す声明文と、「軍事的挑発行為の自制」を促すメディア発表文を相次ぎ発表するなど、韓半島問題に積極的な動きを見せている。ロシア外務省は、モルグロフ・アジア第1局長と北朝鮮の金英在(キム・ヨンジェ)駐ロ大使との電話内容を基に、「ロシアは北朝鮮に対し、最大限自制することと、状況をさらに悪化させたり、11月23日に延坪島で発生した事件を繰り返したりするような行動をしないことを重ねて訴えた」と伝えた。

 しかし、北朝鮮の武力挑発自制を訴えたロシア外務省の見解表明は、韓国側に訓練計画中止を求めた公式の「声明」よりレベルが低い「メディア発表文」形式で、その内容も声明より短いため、韓国に対する圧力のほうが強く見える、とロシアの外交消息筋は話している。

 ロシア外務省は、これに先立ち発表した声明で「韓半島でさらに緊張が高まるのを防ぐため、(韓国に)砲撃訓練実施を慎むよう、切実に訴える」と述べている。声明とは別に公表したメディア発表文では、ボロダフキン外務次官と韓国の李允鎬(イ・ユンホ)駐ロ大使と米国のバイアリー駐ロ大使と面談したことを共に伝えた。この面談でも、ロシアは「米軍が参観する中、韓国の延坪島近海で砲撃訓練を実施しようという計画に対し、極度の懸念を伝えた」と明らかにした。

 ロシアが外務省の公式声明を通じ、韓国による延坪島海上砲撃訓練の計画中止を要請したのは異例。それほど、ロシアも状況を深刻に受け止めているということだ。

 ロシアのチュルキン国連大使は18日、国連安全保障理事会の緊急会合召集を要請した際、「ロシアは韓半島の状況がさらに悪化する可能性があることを深刻に懸念している。これはロシアの国家安保を直接、脅かすもの」と語った。

 チュルキン国連大使は18日に緊急会合の開催を要求したが、米国がこれを一日先送りしたため非難した。

 ロシア外交消息筋は「ロシアはまるで、中国と口裏を合わせたかのように共調する動きを見せている。中国からすれば、今回も1国だけ北朝鮮擁護に走れば、国際的な世論から孤立する恐れがある状況なので、ロシアが共調することで負担が大幅に減るだろう」と分析している。

北京=崔有植(チェ・ユシク)特派員

チョン・ビョンソン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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