射撃訓練:中ロが反対、「韓国に圧力」モードへ(上)
■中国、二日連続で南北大使呼び「自制」求める
18日は土曜日だったが、中国外務省は韓国の柳佑益(リュ・ウイク)駐中国大使と北朝鮮の池在竜(チ・ジェリョン)駐中国大使を、前日に続き二日連続で呼び、延坪島をめぐる事態に関し自制を求めた。この場で、中国の張志軍・筆頭外務次官は「どのような状況でも、武力衝突はあってはならない」と強調したという。
中国外務省は同日早朝から深夜まであわただしかった。姜瑜・副報道局長が午前3時(現地時間)ごろ、韓国軍の延坪島海上砲撃訓練に反対する論評を同省ホームページに掲載したことから、一日が始まった。
「韓半島(朝鮮半島)の緊張が再び高まる兆しを見せているが、中国の見解は?」という質問に答える形で行われたこの論評で、姜副報道局長は「韓半島で流血・衝突が起きれば、真っ先に被害を受けるのは南北双方の人民で、その災難は周辺国にまで及ぶだろう。事態を悪化させる行動に対しては、どのようなものでも中国はきっぱりと反対する」と述べた。
同日午後遅くには、張外務次官が自ら姿を見せた。張外務次官はホームページ上に訓練に反対する声明を掲載したのに続き、中国中央テレビ(CCTV)の録画映像で再び中国の見解を説明した。その内容は未明に発表された姜副報道局長の論評とほぼ同じだったが、表現はより劇的だった。
張外務次官は現在の韓半島情勢を「一髪千鈞(せんきん)を引く(重い物が髪の毛一本でぶら下がっている危険な状況)」という言葉で表現、「韓半島で流血するような事態が発生すれば、南北間で『同族相残(同族同士の殺し合い)』の悲劇を呼ぶことになるだろう」と語った。中国の戴秉国・国務委員(副首相クラス、外交担当)が胡錦濤・国家主席の特使として南北を訪問、両国の最高指導者に会い、冷静な対応と自制を求めたことなど、延坪島砲撃事件後の中国の外交的努力にも詳しく言及した。
さらに、南北双方に「冷静、冷静、また冷静になり、自制し、自制し、また自制しなければならない」と訴え、中国が提案した6カ国協議首席代表による緊急協議開催を、再び主張して締めくくった。
深夜には、温家宝首相に随行しパキスタンを訪問している楊潔チ外相が「トリ」を飾った。楊外相は現地で、ロシアのラブロフ外相と電話会談を行った。楊外相は「緊張を高めるような行為はどのようなものでもしてはならない」と、さらに直接的な表現で韓国軍の海上射撃訓練に反対する意向を示した。
これに先立つ17日午後、中国外務省は韓国と北朝鮮の駐中国大使をそろって呼び出し、冷静な対応と自制を促した。外務省は双方の大使に、相手側も呼ぶことを事前告知していたという。
北京の外交筋は、「延坪島砲撃事件後、北朝鮮を擁護し、守勢に回っていた中国外交が攻勢に転換した」と分析している。そして、「中国も今回の事態を解決する過程で、お手上げだったわけではないところを見せようという、名分作りの意味合いのほうが強い」と語った。