射撃訓練:「北に押されれば終わり」 大統領府の覚悟(下)

 外交関係者の立場も大差はない。ある高官は「今回の国連安保理はロシアが招集した。ロシアや中国は延坪島での訓練を中断させようとしているかもしれないが、安保理には同盟国(米国)がおり、英国、フランス、日本などわれわれと立場を共有する構成国もいる」と述べた。同高官は「既に北朝鮮はウラン濃縮を発表し、安保理による制裁条件に違反しており、砲撃で民間人を殺傷し、停戦協定や国連憲章にも違反した状態だ。世界の安全保障を脅かす行為にも言葉を発することができず、自国海域で国際社会が見守る合法的な訓練を行うことも問題視されるならば、安保理は存在する意味がない」と男児た。

 軍当局も断固とした姿勢だ。国防部高官は同日、記者団に対し、「訓練を必ず実施する」と述べ、北朝鮮はもちろん、中国・ロシアの圧力にも屈しない立場を明確にした。過去37年間にわたり実施してきた延坪島沖での射撃訓練を突然中断したり、実施しなかったりすれば、北朝鮮側の領海に関する主張を間接的に認めるに等しいため、国防部は訓練を必ず実施すべきだとの立場だ。

 北朝鮮は1953年にNLLを設定して以降、しばらくは異議を申し立てなかったが、73年10-11月に43回にわたり意図的にNLLを侵犯し、それ以降はNLLの無力化を絶えず企てている。

 韓国国防研究院の白承周(ペク・スンジュ)安保戦略研究センター長は、「以前は西海をなぜ守れないのかと非難していた人々が、今回の訓練を延期すべきだと主張するのは話にならない。今回訓練を実施しなければ、韓国は世界の笑いものになる。西海の統制権に関する北朝鮮の主張を認めることにもなる」と危機感を強めた。

 軍消息筋は「北朝鮮はこれまで瀬戸際戦術でじわじわと目的を達成する『サラミ戦術』を使ってきたが、今回訓練を実施しなければ、その程度では済まず、安全保障のせきが一気に崩壊する。訓練を実施しなければ、軍どころか、政権の存立基盤も揺らぐことになる」と指摘した。

ユ・ヨンウォン軍事専門記者

権大烈(クォン・デヨル)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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