記事入力 : 2010/12/20 10:20:39
射撃訓練:「北に押されれば終わり」 大統領府の覚悟(上)
韓国大統領府(青瓦台)をはじめ、政府・軍当局は、北朝鮮による相次ぐ脅迫と中国・ロシアによる反対の動きにもかかわらず、「ここで押されれば終わり」という覚悟で延坪島の射撃訓練を実施する構えだ。
特に大統領府は今回の延坪島での訓練が韓国の防衛戦略の根本にかかわると位置づけている。大統領府関係者は「万一の事態が起きた際、適正に反撃できるように、好天候を待っているだけであり、今回はほかの事柄は何も考慮していない」と説明した。
大統領府高官は19日、「一部野党議員や自称『平和勢力』が訓練中断を求めているが、今回だけは韓国内部でそんな声が出てはならない」と述べた。同高官はさらに、「万一、(中ロ、北朝鮮の圧力に押され)今回の訓練を取りやめれば、今後西海(黄海)5島の北方限界線(NLL)付近でのいかなる演習も困難になる。そうなれば事実上、西海を北朝鮮の脅威にさらすことになり、結果的に首都圏の安全保障、国全体の安全保障が根底から揺らぐことになる」と指摘した。高官の発言は、訓練を実施しなければ、北朝鮮がNLLの無効を既成事実化し、北朝鮮側の艦艇航行を許すことにもなりかねないとの認識を示したものだ。
別の高官は「今回の訓練は『やらなければ世論が悪化する』とか、『政権が政治的に守勢に追い込まれることを懸念して強行したものだ』とか見るべきではない。現在はそうした政治的な計算が成り立つ状況ではない。われわれの領土と命が懸かった問題だ」と訴えた。
- 写真=共同取材団
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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