遼　燃えよ“ドラ魂”　自己最長３７２ヤード

　石川遼（１９）＝パナソニック＝が“人生最長不倒”を記録した。１８日、ドライバーの飛距離を競う「Ｌ−１ドラコン日本一決定戦」が沖縄・カヌチャＧＣで行われ、遼が昨年に続いて出場。昨年マークした自己最長記録を５ヤード上回る３７２ヤードをたたき出した。飛ばし屋たちが集う大会で２年連続でもまれ、飛距離への探求心もアップ。来季は平均３００ヤード超えを視野に入れ、さらにドライバーに磨きをかける。

　願いがボールを一押しした。真冬とは思えぬ沖縄の空。半袖姿の遼が力強くドライバーを振り抜いた。フェアウエーを転がるボールに、思わず両手を合わせて祈りのポーズ。「３７２ヤード」。自己ベストを告げるアナウンスを聞いた瞬間、小さく右拳を握り締めた。

　「３７０は超えたいと思っていたんです。今年も沖縄に来て良かった」

　１年ぶりのドラコン。昨年も自己ベストの３６７ヤードをたたき出したが、今年はさらに５ヤード上回った。使ったドライバーは今大会用の特注品。シャフトは普段より２インチ長い４７インチ。ロフト角も１０度から８度に立てたが、実は仕様は昨年とほぼ同じ。それでも飛距離が伸びたのは、やはり１年間の鍛錬のたまものだ。

　「今年もドライバーを中心にやってきたし、練習もしてきた。それらが５ヤードに出たと思う」

　小技より飛距離。意志を貫き、１年間を戦ってきた。今季のドライビングディスタンスは昨年の２９２・３７ヤードを上回る２９６・７９ヤード。ランクも９位から３位にアップした。安定感も増し、この日は６球打って５球が幅５０ヤードの計測範囲内に着弾。着実なレベルアップに、遼自身もさらなる高みを口にする。

　「３００ヤード？　意識しています。来年は見えてくる数字。今年の終盤から来年は目指そうと思っていたんです」

　平均飛距離の３００ヤード超えは過去５年間で４人だけ。難しい。でも、もう一伸びで届く位置にいる。試合後は全国の飛ばし屋が遼に飛距離アップの技を伝授。「刺激になる。飛ばしに対する探求心がより深まった」。自信を深め、気持ちを高めた日本一決定戦。“大台”を見据え、来季も遼のドライバーがうなりを上げる。　（寺西雅広）