北九州市立医療センター(小倉北区)で03年、水頭症で入院していた男性(当時18歳)が死亡する医療過誤があり、同市は両親と和解するため、賠償金2627万円を支払う議案を29日に開会する12月議会に提案する。
市によると、男性は03年7月4日、センターに入院し、脳にたまった髄液を排出する治療を受けていた。同月7日夜に排出器具を取り外して廊下を歩いているのを看護師が見つけたが、当直の脳外科医=既に退職=は「付け直すのは医療スタッフが集まる翌日でよい」と判断し、看護師に見守っておくよう命じるにとどめた。
男性は翌朝、呼吸が停止し、間もなく脳ヘルニアで死亡した。
市は遺族の申し出を受けて調べた結果、脳外科医らが不適切だったとして、賠償金支払いを決めた。【平元英治】
毎日新聞 2010年11月22日 西部夕刊