筒井信隆農林水産副大臣は18日、弘前市内で行った講演で、環太平洋経済連携協定(TPP)について、国個々の事情を考慮せず、一律に関税撤廃などを目指す点を問題視し、慎重に対応すべきとの考えを強調した。
 同日、同市内で行われた民主党県連のマニフェスト意見交換会で基調講演して述べた。
 TPPについて、筒井副大臣は農林水産物の輸出入、金融、雇用など幅広い分野で障壁撤廃を目指す制度であることを強調、「(TPPへの参加は)国の中身を根本から変えることになり、農林水産省、同省政務三役とも『急激に推進すれば大変な事態になる』と考えている」と述べた。
 その上で経済グローバル化への対応は原則2カ国間で締結する経済連携協定(EPA)、自由貿易協定(FTA)から取り組む姿勢が望ましいとした。
 講演後には津軽地域の首長、県内の農漁業団体関係者と意見交換。終了後に報道陣の取材に応じ、出席者からTPP参加反対の意見が出たことを明らかにした上で、「(出席者と)気持ちは一緒だ。第1次産業をめぐる各国の事情に配慮できないTPPは、極めて慎重に考えなければならない」と述べた。
 同党県連がTPPへの交渉参加反対を決めたことについては「慎重に対応するための後押しになる」とした。
 筒井副大臣との意見交換に出席した葛西憲之弘前市長は「農林水産省はTPPに非常に懐疑的と受け止めた。今後も機会を捉えて『参加容認できず』という姿勢を示す」と強調した。
【写真説明】「TPPへの対応は慎重を期すべき」と強調した筒井農水副大臣