ポスト菅大丈夫?“口先番長”前原“議会丸投げ”岡田

2010.11.30

 菅直人内閣の支持率が急落する中、「ポスト菅」の筆頭格とみられる民主党の岡田克也幹事長と前原誠司外相が、力量不足や口先番長ぶりを露呈している。岡田氏は、小沢一郎元代表の国会招致を議会に丸投げすることを示唆し、前原氏は、自分らの過去を棚に上げて野党の審議拒否を批判した。こんな体たらくで、民主党は政権維持できるのか。

 「(党役員会で)何かが決まったことはない」

 岡田氏は29日夕の記者会見で、小沢氏の国会招致についてこう語った。しかし、直前の党役員会では「小沢氏が衆院政治倫理審査会への出席を拒み続けた場合、審査会委員の議決に基づく招致もあり得る」との考えを披露したという。

 9月の幹事長就任以来、岡田氏は菅首相から「小沢氏の説得」を任されているが、政治経歴の違いからか、一兵卒ながら「俺は出ない」「司法の場で説明する」と傍若無人に振る舞う小沢氏にあしらわれ続けている。「今国会中には」と語っていた臨時国会も終盤になり、やや弱気になって、議会に丸投げしようとしたともいえる。

 党役員会では、岡田氏の提案に対し、他の役員から「何もやらないよりはいい」などと賛同する声も出たが、小沢氏に近い輿石東参院議員会長は「党内の混乱をきたさないように」と慎重な姿勢を示したという。

 衆院北海道5区補選や和歌山県知事選など、民主党は直近の大型選挙で4連敗を喫している。岡田氏は冒頭の記者会見で、「(来春の)統一地方選を考えても障害の一つになっているのは事実だ」と語り、小沢氏や周辺の反発をけん制した。

 一方、前原氏は「口先番長」ぶりを発揮している。27日に横浜市内で開かれた会合で、仙谷由人官房長官らの問責決議を受けた自民党などの審議拒否の動きについて、「国会に出てこなければ税金泥棒だ」と言い放ったのだ。

 そもそも、審議拒否は、野党時代の民主党の十八番。年金制度問題や後期高齢者医療制度、ガソリン税の暫定税率などをめぐり、民主党はことごとく審議拒否を繰り返してきた。前原流なら、民主党こそ「本家・税金泥棒政党」といえる。

 前原氏は政権交代後、国交相として「JALは潰さない」と明言したが、結局、同社は会社更生法適用を申請。八ツ場ダムの建設中止も宣言したが、後任の馬淵澄夫国交相は中止方針を事実上撤回した。尖閣沖での中国漁船衝突事件でも、前原氏は当初、「逮捕は当然」と胸を張っていたが、その後、「(釈放に)従う」と沈黙した。

 先の会合で、前原氏は「民主党政権への風当たりが強い。経験がなかったので頭をぶつけている所もあるが、もう少し時間をもらわないと効果は出ない」と語ったが、いつまで「口先番長」に付き合わせるつもりなのか。

 

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