■言い訳、はぐらかし、責任回避にもってこい
【東奥日報のコラム】「ゲゲゲの女房」こと武良布枝(むらぬのえ)さんを一躍有名にした「ゲゲゲの~」を年間大賞に選んだ新語・流行語大賞にならって、小欄が勝手に贈る本県流行語大賞は、三村申吾知事が8月の記者会見で発した「一定の成果」に決まった。
▼むつ小川原地域に液晶産業の集積を目指す県の「クリスタルバレイ構想」の行き詰まりをただす質問に「構想は研究開発や人材育成の面において一定の成果を挙げてきている」と答えた。産業政策の柱と位置付けた事業の誘致第1号企業が破綻し、あらためて真意を問いたくなった。
▼取りあえずその場をしのぐ魔法の言葉を菅直人首相も使っていた。内閣支持率急落を野党議員に突かれ「経済成長など大きな政策課題で一定の成果が出始めている」と。事業仕分けも、医療再生も一定の成果を挙げている。言われてみると、何となくそうかなと思ってしまう。
▼営業成績が悪いぞと尻をたたく上司がいたら言い返そう。「一定の成果を挙げているから大丈夫です」。子どもたちにもこっそり教えてあげる。テストの点数が悪くて親にお目玉を食ったら「一定の成果は挙がっているから、長い目で見てよ」と言っちゃおう…(2010年12月2日付「天地人」)全文を読む
【戦争の勝利者】今年は開高健の生誕80年。生きていたら、やはり「戦争に勝利者はいない」とつぶやくだろう
■「戦争に勝利者はいない」【神戸新聞のコラム】映画「酔いがさめたら、うちに帰ろう。」はカメラマンの鴨志田穣(ゆたか)さんがモデルになっている。彼がアルコール依存症と闘った日々と、家族との絆を描く秀作だ◆入院中の病院で、自身の経験を語るシーンがある。彼はポル・ポト政権下のカンボジアやボスニアの紛争を取材した。悲惨な虐殺や戦争を前に、「写真も撮らず泣くことしかできなかった」。その衝撃が、心の変調をきたしたのか。次第に飲酒量が増えていった◆作家開高健もまた、戦争と切り離せない。1965年2月、ベトナムで米軍に従軍し、ジャングルに入った。部隊はゲリラ兵に包囲され、銃弾を浴びせられた。200人のうち生き残ったのはわずか17人だった◆生還の直後、日本の雑誌社に連絡したときの肉声が録音されている。「戦争に勝利者はいない」。死に直面した従軍経験は、後に「輝ける闇」や「夏の闇」などの小説に結実する◆オバマ米…【続きを読む】
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【HIJK】最近の若者の恋愛パターン-エッチ(H)から始まり、その後に愛(I)が芽生え、ジュニア(J)が誕生し、結婚(K)に至る
『婚前妊娠に今は社会的にも認知が進む』 【琉球新報のコラム】最近の若者の恋愛パターンを「HIJK」というらしい。心理学の研究者が解説していた。つまり「エッチ(H)から始まり、その後に愛(I)が芽生え、ジュニア(J)が誕生し、結婚(K)に至る」 ▼厚生労働省が先週発表したデータがそれを裏付けている。結婚前に妊娠する「できちゃった結婚」は年々増え、2009年には全国で25%だった。若いほど高くなり、10代は81%、20代前半は63%に上る。地域別では沖縄が38%と突出している ▼最近の結婚披露宴では、膨らんだおなかを目立たなくした花嫁さんや子どもの1歳祝いを兼ねた祝宴も目立つ。「授かり婚」「おめでた婚」と前向きに捉え、結婚式場は独自のプランを打ち出す ▼かつては婚前妊娠に眉をひそめる向きも多かったが、今は社会的にも認知が進む。少子化を防ぐと追認する声もある。出生率全国一の沖縄を底支えしている…【続きを読む】
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【闇】通り魔事件が起こるたびに、犯人の「心の闇」という言葉がささやかれてきた
「心の闇」【茨城新聞のコラム】通り魔事件が起こるたびに、犯人の「心の闇」という言葉がささやかれてきた。他人にはうかがい知れぬ心のありよう。人は「闇」という言葉の中に、理解できぬ狂気を封印してきたのではないだろうか きのうJR取手駅西口で中高校生らに刃物で切りつけ、けがを負わせた斎藤勇太容疑者。詳しい動機はまだ分からないが、「自分の人生を終わりにしたかった」という言葉に身勝手な思考から生じる狂気を感じさせた 最近の通り魔事件で思い出されるのは、2008年に土浦市や東京・秋葉原などで相次いだ事件。このとき逮捕された犯人らは口々に「誰でもよかった」と漏らしていた…(2010年12月18日付「いばらき春秋」)全文はこちら…【続きを読む】
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トップが決断してこそ、ものごとが前に進むのもこの国の常【南日本新聞のコラム】「タレントだからできるんだ。サラリーマンは休みたくても休めない」。育児に積極的な「イクメン」として知られるつるの剛士さんが育児休暇を宣言したとき、反発する意見が多かったという。 つるのさんは第4子誕生を機に、2カ月休業した。弁当を作って上の子を送り出し、他の家事もこなした。妻と過ごす時間も増え「地域とのかかわりなど、仕事をしているときには見えないことがいろいろ分かった」と話す。 少子化対策や女性の就業維持を目的に、厚生労働省がイクメンを増やすプロジェクトに取り組んでいる。東京で関連イベントがあり、招かれたつるのさんが話していた。 広島県の湯崎英彦知事は育児のために1日数時間の休みをとると宣言して波紋を広げた。勤め人としては、自分が休んだら同僚の負担が増えないか気になる。まして多忙で危機管理が問われる知事…【続きを読む】
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【NIE(教育に新聞を)】新聞を読む生徒は文章や表の内容を読み取る読解力が高い。OECDの学習到達度調査で、こんな結果が出た
■新聞紙面にはあらゆる科目が凝縮されている【下野新聞のコラム】新聞を読む生徒は文章や表の内容を読み取る読解力が高い。OECDが65カ国・地域の15歳を対象に実施した学習到達度調査で、こんな結果が出た。新聞を作る側にはうれしい限りだ▼ちなみに日本の15歳の読解力平均点を「新聞を読む」と「読まない」に分けると、「読む」は531点で「読まない」(506点)を上回った▼OECD平均で見ると、新聞以外でも雑誌や小説、伝記、ルポルタージュなどを読む方が高得点を得ている。雑誌は日本では読まない方がわずかに平均点が高かったが、問題視するほどの差ではない▼要するに「読む」ことは学習能力を向上させる。例えば数学であっても、問題によっては読解力が欠かせない。手前味噌ながら、新聞はその読解力を身につけさせながら、社会に目を開かせる。さらに言えば、紙面にはあらゆる科目が凝縮されているといっていい…(2010年12月…【続きを読む】
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【画家、長谷川利行】戦前、東京にあって酒浸りの生活を続け、放浪の果てに路上で倒れていたところを行路病者として収容され、息を引き取った
お宝発掘【四国新聞のコラム】長谷川利行という洋画家をご存じだろうか。戦前、東京にあって酒浸りの生活を続け、放浪の果てに路上で倒れていたところを行路病者として収容され、息を引き取った。酒代のためにマッチ箱にまで描いたといい、荒々しいタッチの深い詩情をたたえた作品群が残された。 その長谷川のちょっと面白い展覧会が開かれている。東京国立近代美術館での「特集コーナー 長谷川利行」だ。 ここで初公開されたのが「カフェ・パウリスタ」。佐伯祐三や林武、福沢一郎らもメンバーだった「1930年協会」の展覧会への出品歴は知られてはいたものの、その後は所在不明に。空襲などで失われたと思われていた作品が、ひょっこり姿を現した。きっかけは、何とお宝発掘の人気テレビ番組「開運!なんでも鑑定団」だった。 昨年放送された同番組では1800万円と鑑定され、保存状態が良かったら2500万円はするとも。持ち込んだの…【続きを読む】
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■エコを言うなら馬か、バッテリーも不要だ 【北海道新聞のコラム】………▼そう。バッテリー上がりのトラブルだ。長く乗った愛車は要注意。業界は今日12月12日を「カーバッテリーの日」としている。野球の守備番号の1と2は投手と捕手、つまりバッテリー、というわけだ ▼電気自動車は高価だし、充電1回で走れる距離がまだ短い。ガソリンスタンドならぬ「電気スタンド」の整備も要る。それでも次世代には乗り物の主役の座に就くことだろう ▼一方、エコでは勝てなくても、エンジンの車も簡単にはなくなるまい。デジタルカメラに対するフィルムカメラ、CDに対するレコードもそうだが、捨て難い味わいがあるからだ ▼さらにさかのぼれば、初期の車を前に愛馬をなでた人もいたはずだ。二輪の話だが、米有名メーカーの排気音・振動は馬が走る律動に似せてあるという。現代のビル街を馬で疾駆する映画もあった。「ニューヨークの恋人」。タイムスリッ…【続きを読む】
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