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民主政調いまだ手探り 初の予算、役割不明確 '10/12/5

 民主党の政策調査会は2011年度予算編成に関する議論のヤマ場を越え、党の提言を6日、政府に伝える。“脱小沢”を掲げる菅直人首相の肝いりで復活した政調にとって初の予算編成だったが、「内閣への政策決定一元化」の看板を前に役割は依然不明確で、手探り状態が続く。存在感発揮が今後の課題だ。

 「静かな革命が着々と進んでいる」。玄葉光一郎政調会長は3日の政調役員会で、11年度からの地球温暖化対策税導入などを明記した提言に胸を張った。同時に、党内論議が盛り上がりを欠いたことも暗に認めた。

 今後は提言が政府の予算編成にどの程度反映されるか見守る段階に移る。もともと「提言機関」との位置付けで、自民党政調が与党時代に持っていた発言力には及ばない。政調幹部は「後は政府の判断だ」と語る。

 提言の中身は、子ども手当の限定増額など既に政府内で固まった方針の追認や、党内の幅広い意見に配慮したあいまいな表現が目立つ。数値目標がほとんどないため迫力を欠いている。衆参両院選マニフェスト(政権公約)の売りだった高速道路無料化や農家への戸別所得補償に全く触れていないのも違和感が残る。

 支持率低迷で、政府と党が対立したイメージを与えると政権運営が立ち行かないとのお家事情ものぞく。昨年の予算編成では当時、幹事長だった小沢一郎元代表の「鶴の一声」で廃止方向だったガソリン税の暫定税率維持が決まるなど、党側が優位に立つ局面もあった。小沢氏に近い中堅議員は「実力者が党にいない。党と政府との緊張感がなくなっている」と嘆いている。




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