菅直人首相が鳩山由紀夫前首相と会食して「内閣支持率が1%になっても辞めない」と言ったという。民意を無視していると野党に攻撃された。鳩山氏は「首相の友人がそう言って激励したという話だ」と釈明した▲しかし首相は国会の場で「どこまで頑張りきれるかわからないが、石にかじりついても頑張りたい」と政権維持に執念を燃やしている。1%でも辞めないというのは首相の本心でもあるだろう▲日米共同統合演習が始まった。韓国もオブザーバーを派遣した。北朝鮮の砲撃事件で緊張する朝鮮半島情勢が背後にある。日米韓3カ国の結束を見せれば北朝鮮への圧力になる。そのおりもおり、気になる世論調査だった▲韓国のリアルメーター社が韓国人を対象に実施した6カ国協議参加国(韓国を除く)首脳の好感度だ。トップは米国のオバマ大統領で62%。2位が中国の胡錦濤国家主席で6・7%だった。ところが、日本の菅首相はなんと1・8%▲首相は1%でも気にしないだろうが、この数字が韓国世論の傾向を表しているならいささか不思議な気がする。調査は砲撃事件の後におこなわれているのだ。砲撃に脅威を感じる点では、日米も韓国と同じはずだ。それなのに韓国人が対北外交のパートナーとして思い浮かべるのは圧倒的に米国。次に中国▲歴史的なしこりがあって、韓国人には日米韓という協調の枠組みがなかなか受容できないと解するべきなのか。菅首相は砲撃事件では韓国を全面的に支持する立場をとり、日米韓の協調を力説してきた。それがなかなか向こうに伝わらない。日本と韓国が足並みをそろえるのは難しい。
毎日新聞 2010年12月6日 東京朝刊
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