望 〜都の空から
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【経済】11年度予算編成 社会保障費 迷走続き2010年12月8日 朝刊 三歳未満の子ども手当の上積み問題をめぐり、縮小案が七日浮上したため、閣僚らが火消しに追われた。一方、野田佳彦財務相は同日の会見で、菅直人首相が六日表明した基礎年金国庫負担割合の50%維持について「(財源が)具体的に今あるわけではない」とし、調整は難航する見通しを示した。二〇一一年度予算編成が大詰めを迎える中、「コンクリートから人へ」を掲げる民主党政権は要となる社会保障財源で迷走している格好だ。 (桐山純平) 一一年度から三歳未満の子ども手当を七千円上積みし、月二万円とする財源について、民主党が六日に出した予算提言は「配偶者控除見直しを含めて検討すべきだ」としながらも、同時に出した税制提言は「慎重な判断を求める」と正反対の記述をした。 七千円の上積み額を縮小する案も政府内で急浮上し、混乱に拍車をかけた。細川律夫厚生労働相は七日の会見で「当然、この線(月七千円)でいくと思う」と否定した。 政府・民主党は配偶者控除の見直し以外に、相続税の基礎控除縮小による実質増税にも財源を求める方針を掲げ、マニフェストの目玉の拡充に躍起だ。 「財源をかき集めるべく政府一丸で対応したい」。野田財務相は七日の会見で、国庫負担割合の維持に意気込みを示したが、必要となる約二兆五千億円をどう確保するのかは、明言しなかった。 財務省は当初、国庫負担割合を36・5%に下げ、年金特別会計の積立金を取り崩す案を提示。だが「取り崩しは年金制度の信頼性を損なう」と与党の反発を招き、撤回を余儀なくされた。 政府は代わりに独立行政法人「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」の利益剰余金(〇九年度末で一兆五千億円)などを充てる方針だが、それでもまだ全額のめどが立ったわけではない。さらに、一二年度は再び新たな財源を見つけなければならない。 野田財務相は「このやり方は一一年度限りにしたい」と述べ、消費税増税を含む税制抜本改革による安定財源確保に前向きな姿勢を示す。 ただ、支持率低下が著しい菅内閣が、有権者の反発を招きかねない増税に踏み出せるかは不透明だ。
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