きな臭い…小沢氏、舛添氏、鳩山兄弟会食

　永田町に８日、きな臭い「政局風」が突然吹き始めた。菅内閣の支持率急落、小沢一郎元代表の国会招致をめぐる民主党内の対立など不穏な動きが起きる中、同日夜、小沢氏と鳩山由紀夫前首相、鳩山邦夫元総務相に小沢氏に批判的な舛添要一・新党改革代表が都内のすし店に集まり、菅直人首相の政権運営をめぐり協議した。４人は「今の閉塞（へいそく）状況はひどい。このままだと大変だ」と、菅政権のままでは日本は危ないとの認識で一致。特に鳩山前首相は「（菅首相は）私たちを切って政権を浮揚させようとしている」と不満を漏らしたという。

　会食は鳩山前首相が呼び掛けたが、小沢氏を「私の一番の敵」と評した舛添氏が、なぜ小沢氏と同席したか臆測を呼んでいる。舛添、邦夫両氏は来年４月の都知事選に立候補が取りざたされているが、その対応を話し合った可能性もある。

　一方この日午後、０７年に自民、民主両党の「大連立構想」で仲介役を務め、キーマンとなった渡辺恒雄読売新聞グループ本社会長が突然、自民党本部に現れ、谷垣禎一総裁と会談した。谷垣氏に大連立の必要性を訴えたとみられ、政府与党側の要請で動いたとの情報もある。渡辺氏は７日、鳩山前首相と会談し、渡辺氏と近い与謝野馨・たちあがれ日本共同代表も、先月菅首相と会っている。立場の異なる大物が入り交じる政界人模様は、この先の波乱を予感させる。

　［2010年12月9日8時7分　紙面から］