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雛で振り返る この一年の顔

2010年12月10日

写真

発表された6点の変わり雛=さいたま市岩槻区本町3丁目

◇一位は「大荒れ内閣 菅政権」 さいたま・岩槻人形会社制作

 今年一番の話題は「菅政権」――。1年間の世相を反映した変わり雛(びな)を年末に作っている人形制作販売会社「東玉」(さいたま市岩槻区)が9日、今年の作品6点を発表した。一般公募で、政治やスポーツなど上位の話題を作品化。傷害事件で大けがをした歌舞伎俳優・市川海老蔵さんも、結婚の祝福ということで特別に作られた。

 人形は、最も印象に残る今年の出来事をはがきで10〜11月に募集し、その結果を元に作った。

 応募があった5113通のうち、最も多かったのは「菅政権」だった。「来年こそリーダーシップを発揮して」という意見などを元に、「大荒れ内閣 菅政権雛」という作品名にした。支持率低迷を象徴するように、菅直人首相が今にものみ込まれそうな荒波の中に立つ。

 2位は落盤事故からの生還が話題となった「チリ鉱山」だったが、国内の話題を中心に作るという方針で、サッカー・ワールドカップ南アフリカ大会で16強に進出した日本代表が、2番目の作品に選ばれた。名付けて「サムライジャパン 大健闘雛」。攻撃で活躍した本田圭佑選手と岡田武史前監督の人形が並ぶ。

 3番目は猛暑。8位の「ゲゲゲの女房・水木しげる」と合わせ、「妖怪もびっくり!
 ゲゲゲの酷暑雛」とした。4番目は、野球賭博問題で揺れた大相撲で歴代2位の連勝記録を作った白鵬関と、スポーツ界の「ご意見番」だった故・大沢啓二さんの「相撲界に喝! あっぱれ白鵬雛」。5番目は、鈴木章さんと根岸英一さんの受賞を祝う「おめでとう ノーベル化学賞雛」だった。

 特別に作られたのが、市川海老蔵さん・小林麻央さん夫妻の雛。担当の佐藤仁工房長は「おめでたいことなので、豪華な人形を作ろうということになった」と言う。

 ところが、作り始めた直後に事件が発覚。制作を続けるべきかどうか議論になったが、結婚を祝う応募も多くあったことから、2人の人生の幕が開くという思いを込め、「祝ご結婚 海老蔵・麻央雛」と名付けたという。

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